千葉県の平和台病院にてハンドリング講習会を実施してきました。STROKE LAB報告
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急性期~在宅までを担う平和台病院
HPより引用→こちら
ハンドリングはどうすれば上手くなるの??
というテーマで今回は千葉の我孫子市にある平和台病院にてスタッフ教育の講習会を実施させていただきました。周りは自然豊かな病院で、故郷の長崎の風景に近いものを感じました。
若手中心の病院ということで、ハンドリングに対する基礎的な知識について、お話しさせていただきました。
業務終了後にも関わらず、積極的に講義に耳を傾けてくれました。
ハンドリングの知識としては、基本的なサイズの原理やタッチと姿勢に関連するエビデンスに基づいた論文紹介、そしてSTROKE LABの塾で実施している「ハンドリング10カ条」をご紹介しました。
ハンドリング10カ条って何??
ハンドリング10カ条は、僕が臨床経験の中で大切にしているポイントをまとめたものです。詳細は年明けあたりに発売の書籍でも付録に提示しています。
例えば、「直接肌に触れる」「抗重力だけでなく従重力も大切にする」「自身の姿勢を意識する」などです。
タッチ時の「手のフォーム形成」の説明場面
上肢の抗重力から従重力コントロールを説明していく場面
本来塾では8時間かけて実技を通じ説明していくのですが、時間の問題もあり一部のみの紹介となりました。
ハンドリングは勉強すれば上手くなるわけではなく、日々の臨床への集中や頭を使いながらのハンドリング実践を積み上げて向上していく技術です。
客観的評価は難しいのですが、実技紹介では、僕がモデルを起居させる場合と、若手セラピストが起居させる場合の、実施者側のCOMを観察してもらいました。
経験のある僕の方が、COMの過度な上下・左右移動が少ないにも関わらず、モデルが簡単に起き上がれる光景を見てもらいました。
柔道や合気道の熟練者は無駄な動きが少ないと思います。この点はセラピストにも大切で、効率的に動けるほど、相手を効率的に誘導できます。つまり、よい運動パターン・感覚を提供できるということです。
ハンドリングはハンドのイメージが強いですが、感じ取れる・誘導できる手になるには、セラピストが適切に自身の床反力を認知できたり、自身の重心や身体パーツ間の協調性を作り出せる必要があります。
自身の手のマッサージばかりやっても、単に柔らかい手になるだけで、使える手にはなりません。
実技では時間の都合もあり、効率的な歩行誘導を行いました。
ハンドリングが「転倒させない手」になっていませんか??
歩行誘導の手が、単に相手の胸郭に手を「当てているだけ」の転倒予防目的とならないよう指導させていただきました。
療法士は運動学習を促進させることであり、転倒させない事が主要目標ではありません(もちろん転倒はまずいです)。
上手な誘導は自身の健康も促通できる
歩行誘導はどういう手技・概念であろうと、セラピストには常に求められるスキルです。装具を履いていようと、重度麻痺患者のトランスファーであろうと、適切な重心誘導・ステップを伝えられれば、患者さんの学習はスムーズになります。
同時にセラピストの臨床健康寿命を長引かせることも可能です。30歳で職業病の腰痛になって悪化しているようでは、臨床を長くフルパワーでできません。もちろん、自身の身体が悪いと患者さんへもPassiveな感覚誘導が増えてきます。
若いころから、自身のセラピスト人生をいかに健康に送れるか、そのための意識を構築させておくことは非常に重要です。
症例動画を通じた動作分析とディスカッション場面
健常者分析ではなく症例検討が本質
単なる健常者の分析ではなく、症例動画を通じ、動作分析における問題点・良い点、 歩行時と立ち上がり時で共通する問題、 治療プランをディスカッションしてもらいました。
先輩・後輩関係なく、セラピストとしてグループで討論・発表する経験は今の時代、とても不足しているように思えます。
自身で考えて発言し、ヒトに伝える、というシンプルな事の大切さが伝われば幸いです。セミナーに出ても講義を受動的に聞いているだけでは何も学習できません。
普段仕事を一緒にし、時間を多く共有しているスタッフと討論することはとても貴重な経験になると思います。
9月に平和台では、斎藤が「基本姿勢の評価と動作誘導」10月に石橋が「構音・嚥下と姿勢ハンドリング」についてお伝えする予定です。
また報告していきます。
病院内 スタッフ育成サポート
スタッフ教育を効率的に進めてみませんか?
ハンドリングや中枢神経系への教育は、STROKE LABへご相談ください。
2017年12月まで7施設の病院からご依頼を頂いており、計14回の講義・実技を行う予定です。
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)