Vol.417.大腿骨骨折をしやすい脳卒中患者とは?脳卒中者の時間経過・性別・年齢等と大腿骨骨折の関係性
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カテゴリー
タイトル
●大腿骨骨折をしやすい脳卒中患者とは?脳卒中者の時間経過・性別・年齢等と大腿骨骨折の関係性
●原著はRisk of hip/femur Fracture After Stroke: A Population-Based Case-Control Study こちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中後の骨折の患者様を担当し、どのような方が骨折しやすいのか傾向を学ぼうと思い本論文に至る。
内 容
背景
●脳卒中は股関節/大腿骨骨折のリスクを高めるが、時間経過に伴うリスク増加に関しては不明のままです。
●本研究目的は、このリスクを評価し、リスク上昇と時間経過の関係性を調査することであった。
方法
●症例数 6763人は初発の股関節/大腿骨骨折の患者、コントロール群は年齢・性別および地域を一致させた。
●股関節/大腿骨骨折のリスクのオッズ比(OR)は、疾患と薬歴に合わせて調整された条件付きロジスティック回帰分析(条件付きロジスティック回帰分析:個人マッチングに基づくオッズ比(OR)の算出のための統計学的モデル。個人マッチングとは、変数をマッチングさせて(例:同じ出生日)、各症例に対し個別的に対照を選択すること。)を使用して導き出された。
結果
●股関節/大腿骨骨折のリスクの増加は、入院日前に時期は関係なく脳卒中を経験した患者で観察された。
●骨折リスクは、入院日の3か月前に脳卒中を発症した患者と女性患者で最も多かった 。
●リスクは71歳未満の患者でさらに増加した。
●出血性脳卒中の患者は、虚血性脳卒中患者と比較し、股関節/大腿骨骨折のリスクが高くなる傾向があった。
●転倒予防プログラム、骨密度測定およびビスフォスフォネートの使用(骨粗鬆症の治療薬)は、脳卒中リハビリテーション中およびリハビリ後の股関節/大腿骨骨折の発生を減らすために必要な場合がある。
私見・明日への臨床アイデア
●女性は更年期になり女性ホルモン(エストロゲンなど)の分泌が急に止まり、骨の中にカルシウムを貯める働きが衰えます。腸からのカルシウムの吸収や尿中への排泄を抑える働きも低下します。その結果、骨粗鬆症となり、男性より骨折しやすい可能性があります。
●心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが骨粗鬆症でない人に比べて骨粗鬆症のある方は3・5倍にもなるという米国でのデータもあると報告されている。更年期を迎えた方は定期的な検査、必要に応じた治療が予防となり得る。
●脳卒中後の身体機能面の低下、高次脳等の影響だけでなく、上記のような問題も含まれるため、包括的に予防していく必要がある。
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)