Vol.434.歩行練習が脳卒中患者の運動モジュールの質を改善させる!?脳卒中者の歩行練習が運動モジュールに及ぼす影響 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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Vol.434.歩行練習が脳卒中患者の運動モジュールの質を改善させる!?脳卒中者の歩行練習が運動モジュールに及ぼす影響

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カテゴリー

 

脳科学

 

タイトル

●歩行練習が脳卒中患者の運動モジュールの質を改善させる!?脳卒中者の歩行練習が運動モジュールに及ぼす影響

 

●原著はThe influence of locomotor rehabilitation on module quality and post-stroke hemiparetic walking performanceこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●脳卒中患者においてモジュール(機能的運動単位)の結合、回復に伴う分化が報告されているが、どのように訓練にて改善が実際見られているの学ぶべく本論文に至る。

 

内 容

 

背景

 

●脳卒中後の患者では、健常者ではそれぞれ独立しているモジュール(機能的運動単位)の発火タイミングの問題と結合を特徴とする筋間の協調的な活動の低下を示します。

 

●ただし、運動療法がこのモジュールの構成とタイミングに影響を与えることができるかどうか、およびこれらモジュールの改善が歩行能力の改善につながるかどうかは不明です。本研究目的は、モジュールの構成とタイミング、および脳卒中後の片麻痺歩行のパフォーマンスに対する運動療法の影響を調べることでした。

 

 

方法

 

●28人の脳卒中後片麻痺患者(FMA-LE 34未満、歩行補助具を使用し自立歩行可、重度感覚障害や認知障害はない)が、体重免荷付きのトレッドミルトレーニングと通常歩行練習が組み込まれた12週間の自発的な運動療法を行った。28人の脳卒中者と同年齢の19人の健常者(対照群)から筋電図検査(EMG:前脛骨筋TA、ヒラメ筋SO、内側腓腹筋MG、内側広筋VM、大腿直筋RF、内側ハムストリングMH、外側ハムストリングLH、中殿筋GMから収集)、Viconおよび床反力計によるデータが治療前後で収集された。EMGデータからモジュールの構成とタイミングを特定するため、非負値行列因子分解(NMF)が使用されました。モジュールのタイミングと構成、および歩行パフォーマンスのさまざまな測定値を、治療前後で比較しました。

 

 

結果

治療前後に4つのモジュール(1:股関節および膝伸筋モジュール2:足底屈筋モジュール3:前脛骨筋および大腿直筋モジュール4:ハムストリング)を有する被験者では、トレーニングにより、足底屈筋モジュールのタイミングが改善され、より対称的かつ速く推進出来、歩行中の足の関節角度が増大しました。

 

治療前に3つのモジュールを有する被験者は、モジュール数を増やし、治療後の歩行パフォーマンスを改善しました。

 

●治療前のモジュールが4つ未満の患者と比較し、治療前のモジュールが4つある患者の方が、治療前後の歩行パフォーマンス、モジュール構成、モジュールのタイミングが優れていた。治療前に3つのモジュールを有する者では、治療後のモジュール2(足底屈筋モジュール)のタイミングは、治療前に4つモジュールがあった被験者よりも悪かった。これらの被験者はまた、対照群と比較しタイミングと構成が悪かった。

 

●したがって、歩行トレーニングはモジュールの構成とタイミングに影響を与える可能性があり、歩行パフォーマンスの改善につながります。

 

 

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

●モジュール数が3でも4にしても足関節底屈筋の活動のタイミングやその協調性の改善は必要かつ改善する部分であることが分かる。足底屈筋の活動をといっても、体幹・股関節レベルの問題が足底屈筋の正しい活動を抑制している可能性もあったり、ただ底屈筋を・・という訳でなく問題を整理して介入する必要はある。

●人は各筋をそれぞれ個別にコントロールしている訳でなく、ある動作のある動きで活動する組み合わせ(機能的運動単位)が存在するため、全身的に動作を評価・介入する事は重要であることが言える。

 

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