Vol.452.なぜ体性感覚検査は目を閉じる!?視覚の体性感覚への影響 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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Vol.452.なぜ体性感覚検査は目を閉じる!?視覚の体性感覚への影響

 

 

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カテゴリー

 

上肢

 

タイトル

●なぜ体性感覚検査は目を閉じる!?視覚の体性感覚への影響

 

●原著はCan Vision of the Body Ameliorate Impaired Somatosensory Function?こちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●感覚検査は目を閉じて行うが、逆を言えば目を開けると感覚を高めることが出来るのか!?という当たり前としていることに疑問を投げかける内容のイントロダクションで興味を持ち本論文を読むに至る。

 

内 容

 

背景

 

●なぜ体性感覚評価が患者の目を閉じた状態で従来行われていたのか?この質問は、先行研究から、少なくとも一部のケースでは、評価中に麻痺側の四肢を見ることで患者のパフォーマンスが向上するという観察から生じた。Kennettとその同僚は、前腕の触覚の閾値が違う対象物を見るのと比較して、被験者が前腕を見たときに大幅に優れていたことを示した。

 

体性感覚障害は脳卒中患者の約50%で生じ、これらの障害は患者が物を操作および使用したり、有害な刺激を感じたり、動きをコントロールしたりする能力を損うため、この視覚的効果には重要な臨床応用があるかもしれません。

 

●本研究では、触覚と視覚間の多感覚相互作用に基づく新しいアプローチが、脳損傷による体性感覚障害の影響を受ける患者の触覚の改善に効果的であるかどうかを検証した。

 

方法

 

●この検証をサポートするために、視覚が触覚パフォーマンスを調整する可能性があるという仮説を最初に健常者でテストした。32人の健康な被験者は、3つの条件(刺激された前腕:ARM、同じ位置に置かれた木製の箱:Neutral、ゴム足:Foot)で対象物を見た状態で2点識別課題(2PDT)を実行した。結果は、触覚の視覚的強化の有効性が被験者の触覚の鋭敏さと相関することを示した。2PDTの精度は、触覚感度の低い被験者でのみ前腕を見ると高くなった。

 

●次に上肢の体性感覚障害のある脳血管疾患の10人の患者を調査した。半盲および半空間無視を示す患者は、研究から除外されました。

 

●患者の前腕の手関節から50 mm近位にソレノイド(振動刺激)が取り付けられた。ソレノイドは、合計500ミリ秒の間、100 Hzで振動する閾値を超える振動触覚刺激を生成した。各トライアルで1つまたは2つのソレノイドを作動させることができた。被験者は、2回のタップを感知した場合にのみ、「2回」という言葉で応答するように求められた。被験者は図の様に1.前腕 2.同じ位置に置かれた木製の箱 3.ゴム足を見ている3つの視覚的状況下で管理された。触覚刺激は見えませんでした。

 

 

結果

 

●体性感覚障害を有する患者においても触覚の鋭さは、同じ位置に置かれた木製の箱とゴム足を見るよりも前腕を見ることで改善することを示した。さらに、通常は前腕が占める空間位置でゴム足を見ると、患者の触覚能力がさらに低下した。この予期しない結果は、ボディスキーマと身体関連の視覚情報の非互換性によって生じる干渉効果が原因である可能性があります。

 

 

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●触覚感度の低い人に対して、刺激部位と同部位を見る事で触覚の識別能が向上する事が示唆された。逆に、体の他部位を見ると減弱する可能性がある。上肢課題中では、意識を集中させたい所を見るように促すことが大事かもしれない。他部位へ気が逸れている場合は感覚の減弱も起こる可能性があり、実施部位に注意を促したい。

 

 

 
 

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