Vol.477.効果的なトレッドミル訓練は0.4m/s以上!?慢性期脳卒中患者におけるトレッドミル訓練の効果的な歩行速度
脳神経系論文に関する臨床アイデアを定期的に配信中。 Facebookで更新のメールご希望の方はこちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」 臨床に即した実技動画も配信中!こちらをClick!!(YouTube)
STROKE LABでは療法士向けの脳科学講座/ハンドリングセミナーを行っています!上記写真をClick!! PDFでもご覧になれます。→PDF
カテゴリー
タイトル
●Vol.477.効果的なトレッドミル訓練は0.4m/s以上!?慢性期脳卒中患者におけるトレッドミル訓練の効果的な歩行速度
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者におけるトレッドミル訓練の文献を多々読むが、実際どのレベルの患者にとってトレッドミル訓練はより効果をもたらすのか学ぶべく本論文に至る。
内 容
目的
●脳卒中後のトレッドミルトレーニングにおいて、ゆっくり歩く人よりも0.4m / sより速く歩く人の方が(地域在住の脳卒中患者68名)に大きなメリットをもたらすか調査した。(歩行速度が慢性期脳卒中患者におけるトレッドミルトレーニングの有効性を決定するかどうかを調べた。)
方法
●実験群は、30分間のトレッドミル歩行と通常歩行を週3回、4か月間トレーニングした。対照群は介入を受けなかった。主なアウトカムは、6分間歩行テストでの歩行距離、快適と最大歩行速度と健康状態でした。
結果
●本研究では、初期の歩行速度がゆっくりの患者は、中から速い歩行速度の患者よりも4か月後の結果が比較的不良ということが示されている。トレッドミルトレーニングの効果をより示す歩行速度のカットオフ値が0.4m/s (1.44km/h)とされた。(ベースラインの快適な歩行速度が0.4m / sを超えるグループでは、連続歩行距離が72m、快適歩行速度が0.16m / s増加した。 )より速い速度で歩行される方の追加のメリットはありませんでした。
●長期的には、実験群とコントロール群の差はなかった。これは、トレーニングを中断してしまうとその効果が持続しないことを示唆している。
私見・明日への臨床アイデア
●慢性期脳卒中患者においては、歩行速度が0.4m/s以上の方でよりトレーニング効果が得られるが、効果を維持するためには継続的なトレーニングが必要との報告であった。速度が0.4m/sの患者に効果がないわけではないが、0.4m/s以上で行える方には積極的に処方してもよい事が示唆された。それぞれの機器の最も反応を示す患者層を把握する事も臨床では有用かも。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
脳卒中の動作分析 一覧はこちら
塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)