Vol.483.若い女性におけるハイアーチや両足部の非対称性が足底圧分布および姿勢に及ぼす影響
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カテゴリー
タイトル
●若い女性におけるハイアーチや両足部の非対称性が足底圧分布および姿勢に及ぼす影響
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●多くの方で、足部のアーチ等に左右差を生じているのを観察する。それが姿勢にどのように影響をしているか学ぶべく本論文に至る。
内 容
背景
●研究目的は、足底の圧力分布および骨盤、脊椎、肩甲帯の配列に対するハイアーチ、足部の対称性および非対称性の影響を調べることでした。
●足部は、骨盤を介し下肢を脊椎に接続する生体運動連鎖の一部として機能しています。立位および歩行中の足のアーチとその荷重が上半身に影響を与える可能性があることが示唆されています。また、過度の足部回内は脛骨の内旋に移行し、より近位の膝の過負荷またはその他の変化を引き起こす可能性があります。足部回外運動による内側縦アーチの増加により、足部の可動性が低下します。
方法
●81人の女性(年齢:20〜40歳、体重:61±12 kg、身長165±5cm)は、足部のarch indexに基づいて3つのグループに分けられました(グループ1:通常アーチ、グループ2:片側がハイアーチ、グループ3:両側共にハイアーチ)。前足部、中足部、後足部それぞれの右足と左足の間の足底圧分布と姿勢を評価しました。
結果
●足の内側縦アーチの増加は、四肢間および前足部と後足部間の両方で荷重分布に変化を引き起こし、全身にも影響を及ぼした。非対称的なハイアーチは、下肢の荷重負荷と肩甲帯の高さに非対称性をもたらした。
私見・明日への臨床アイデア
●足部の状態は上行性連鎖で全身に影響を及ぼす。脳卒中患者においても、麻痺・痙縮等の影響で足部の非対称性が頻繁に観察される。足部への介入は上行性に肩甲帯までも姿勢変化が望める可能性が示唆されており、臨床においてしっかり評価していきたい。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)