Vol.495.急性期脳卒中患者における傾斜台訓練と従来の理学療法運動の比較 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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Vol.495.急性期脳卒中患者における傾斜台訓練と従来の理学療法運動の比較

 

 

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カテゴリー

 

神経系

 

タイトル

●急性期脳卒中患者における傾斜台訓練と従来の理学療法運動の比較

 

●原著はComparison between Erigo tilt-table exercise and conventional physiotherapy exercises in acute stroke patients: a randomized trialこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●傾斜台は、立位下で足関節の細かな角度の調整、下肢体幹の固定の有無の調整、角度傾斜調整による荷重量の調整、背面のベッドが参照フレームとなる。重症患者だけでなく、アイデア次第で幅広く使用できるものである。一般的に傾斜台がどのような効果が得られているのか学ぶべく本論文に至る。

 

内 容

 

背景

 

●脳卒中は、世界中で共通の深刻な、そして障害のある医療問題です。急性期脳卒中の管理には大きな進歩がありましたが、患者の介護依存を減らすための脳卒中後のケアのほとんどはリハビリテーションに依存しています。

 

●急性期脳卒中患者のリハビリテーションにおける傾斜台(Erigo tilt-table)従来の理学療法を使用した運動の有効性を比較することでした。

 

 

方法

 

●合計110人の急性期脳卒中患者(年齢51.08±7.48歳、脳卒中後8.69±±4.62日)を2つの従来の理学療法(グループA)またはErigo傾斜台(グループB)グループに無作為に割り当て、30日間それぞれ訓練を行った。

 

●NIHSS、MMSE、MASを使用して、筋緊張、生活の質(QOL)および筋力(MMT)を評価した。麻痺側の上下肢のアウトカムは、ベースライン(0日目)、介入30日後、およびフォローアップの90日目に評価されました。 30〜90日の間、被験者は自宅で運動プログラムを行うように求められました。患者全員に、書面による指示と図を含む自宅での運動の小冊子が提供されました。

 

NIHSSに役立つ動画↓↓↓↓

 

●被験者は、宝くじのような方法によって2つのグループにランダム化されました。グループAは従来の理学療法であり、グループBはErigo傾斜台でのリハビリテーションです。

 

●トレーニングメニュー:すべてのエクササイズは10回の繰り返しで行われ、理学療法士の監督の下、1日1回、10秒間の休息をはさみ2セット行いました。グループA(従来の理学療法)は全身のROMエクササイズ、痙縮管理のための四肢のポジショニング、アイシング、ブラッシング、なでる、軽いタッピングを実施した。マット運動を実施した。寝返り~四つ這い、膝立ち等を実施した。ブリッジ練習を実施した。強化運動には背筋、大腿四頭筋、および握力運動を実施しました。その他、荷重練習、バランス練習を実施しました。

 

●Erigo傾斜台(グループB)グループ:患者は40分、週6回、約4週間の治療セッションを受けました。

 

 

結果

 

●どちらの治療も効果的でした。特に、グループB(Erigo傾斜台)の患者は、グループAと比較して、90日目にQOLと下肢の筋力、および30日目に筋緊張の有意な改善を示しました。

 

●どちらのグループも時間とともに改善しましたが、Erigo傾斜台グループでは、QOL、NIHSS、および下肢の筋力が大幅に改善しました

 

●本論文では、Erigo傾斜台療法が従来の理学療法よりも効果的であると仮定した。この仮説は、結果QOL、NIHSS、下肢の筋力がグループB(Erigo傾斜台)でさらに向上したため、部分的に真実であることがわかりました。適切な感覚フィードバック量と制御された漸進的垂直化による体重サポートが有用であると思われます。別の研究では、脳卒中後の患者の感覚および前庭系の可塑性誘導(姿勢の垂直化)にも有用であることが示唆されています。 いくつかの研究では、理学療法の垂直化練習と比較して、傾斜台の垂直化中の脳血流変調が大きくなると、感覚運動領域と前庭系の可塑性変化がさらにサポートされ、結果として運動と認知機能が改善されることがわかっています。

 

 

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

●急性期脳卒中患者における傾斜台での起立訓練の有用性が示された。特に、急性期患者では、障害の回復段階で難易度調整にこだわる必要がある。傾斜台は、難易度付けや姿勢の垂直化も図りやすく有用と思われる。下肢体幹を固定すれば、荷重下での頭頚部や上肢の分離運動の促通も可能と思われる。患者に応じて臨床アイデアを出して使用していきたい。

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

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