Vol.553.後大脳動脈損傷の脳卒中患者の色覚の治癒経過 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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Vol.553.後大脳動脈損傷の脳卒中患者の色覚の治癒経過

 

 

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カテゴリー

 

神経系

 

タイトル

●後大脳動脈損傷の脳卒中患者の色覚の治癒経過

 

●原著はStroke-blind for colors, faces and locations: Partial recovery after three yearsこちら

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

 

●色覚に障害を有する患者をはじめ脳卒中患者の世界の見え方が気になり、勉強しようと思い本論文に至った。

 

内 容

 

後大脳動脈損傷の患者の治癒経過について

 

●研究目的は後大脳動脈の両側性脳卒中患者における色覚異常、相貌失認、および地誌的見当識障害を3年間にわたり回復を追跡調査することであった。

 

●機能回復の兆候を探すために、眼科的、神経心理学的および神経放射線学的検査が3年間にわたって実施されました。

 

●色覚異常の発症後、最初に緑色の知覚が再び現れ、次に赤、黄、茶色の知覚が現れた。

 

●真っ黒に見えていた青色が最後に戻ってきました。

 

●読書と色名呼称は大幅に回復したが、3年後の色の識別テストでは、特に薄暗い照明下では依然として不十分であった。

 

●相貌失認では、患者は個々の特徴によって人(写真を含む)を識別することを学んだが、顔や表情を全体的に認識し識別する能力はひどく損なわれたままであった。

 

●地誌的見当識では、家、通り、地形のレイアウトの認識も影響を受け、速度と距離の認識は多少改善された。

 

●視野検査は視野における上半盲の軽度の改善を示唆した。

 

 

 

 

 

私見・明日への臨床アイデア

 

 

 

●脳卒中患者になった事は無いので、外界の見え方は実際にはわからない。目で外界や周辺の物を視るなどは生活していく上で非常に重要な能力である。新人の頃は、「色が違ってみえるのか」「この辺りの視野が見えづらいのか」など簡単にしか把握できていなかった。しかし、実生活をリアルに想定し、その代償手段を相談指導していくことは非常に重要であるため、しっかり聴取する必要がある。

 

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

併せて読みたい【高次脳機能」関連記事はこちら

 

●vol.384:高次脳機能評価は転倒を予測できるのか? 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

 

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