Vol.559.COP(足圧中心)と感覚障害の重症度との関係性 脳卒中論文サマリー
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タイトル
●COP(足圧中心)と感覚障害の重症度との関係性 脳卒中論文サマリー
●原著はInter-limb centre of pressure symmetry during gait among stroke survivorsこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●重度感覚障害を有する患者の治療に関わることがあり、その際の立脚の構築の難しさを実感し、感覚障害を有する患者の歩行について学ぼうと思い本論文に至る。
内 容
背景
●研究目的は、脳卒中患者の歩行片脚支持期の圧力中心(COP)の軌道の時空間パラメーターを評価して「感覚運動障害の重症度」と関連付けた。
方法
●57人の参加者は圧力センサーを有するマット上を自己快適速度で歩くように求められました。
●アウトカムは、前後方向(AP)COP変動、前後方向のCOP速度、内外側方向(ML)のCOP変動、およびCOP時間が含まれていました。
結果
●前後方向のCOP変位と前後方向のCOP速度の四肢間のスコアの差は感覚運動障害の重症度と関連していた。歩行補助具を使用している患者でその差はより大きかった。
● 左右方向のCOPの変動は、非麻痺側下肢でより大きく、麻痺側四肢のスイングの難しさを示唆している事が推察される。
●COPパラメータの四肢間の違いは、歩行の非対称性と片肢支持を維持するという脳卒中患者の課題を浮き彫りにします。この情報は、歩行リハビリテーションの結果の尺度として、臨床医にとって潜在的に重要であると考えられます。
私見・明日への臨床アイデア
●前後方向(矢状面)のCOPコントロールは脳卒中患者では困難となるようである。臨床では感覚障害が重度の患者では特に立脚後期の難しさを実感する。重度感覚障害の患者がどこで感覚を感じているのか、どのように代償しているのか評価し、丁寧に運動学習を進めたい。自力が難しい場合は、装具など物理的安定等も考慮し介入していきたい。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)