Vol.561.冬場の車椅子操作の問題点とは?外出機会減少に伴う転倒リスクの増大
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タイトル
●冬場の車椅子操作の問題点とは?外出機会減少に伴う転倒リスクの増大
●原著はBarriers to wheelchair use in the winterこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●冬場では、雪や路面の凍結等の影響から、転倒リスクが高まり、それにより外出機会が減少し、不活発になってしまう方が多い。冬場に関しての研究は何かあるのか?興味を持ち本論文に至った。
内 容
背景
●冬の悪天候でも地域社会へ参加できる移動手段は、歩行よりも手動および電動車椅子を使用する個人の方が大きいという仮説をテストする。手動及び電動の車椅子ユーザーが何を障壁に感じているか調査した。
方法
●カナダの都市において、技術的、自然的、物理的、社会的/態度的、および政策の5つの環境領域を中心に編成された横断調査を実施した。
結果
●42%は年齢の増加、家族/友人等の交通手段の欠如および冬に使用される車椅子の種類に関連して、冬季の外出頻度が減少した。
●タイヤ/キャスターの問題:雪の中で立ち往生、氷の上で滑る、傾斜面のコントロール等が困難であった。
●運転している手の冷えが問題として上がった。
●99%の人は歩道/道路問題があると報告されました。80%の人が、冬場には支援が必要であると報告しました。
●冬の外出機会の減少は孤立感そして安全に関連する恐怖/不安につながりました。
私見・明日への臨床アイデア
●冬場の移動に関する練習は出来ているでしょうか?歩行においては通常歩行とは異なった方法でないと、普通に歩くと転倒してしまいます。車椅子も同様です。冬場を想定した訓練が十分に出来ていない場合、在宅での活動性低下につながり、結果転倒し再入院となってしまいます。季節・地域性に応じたリハビリをしっかり行うよう心掛けたいですね。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)