パーキンソン病の更衣動作リハビリ(足部介入への重要性):病院/施設向け 文献 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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パーキンソン病の更衣動作リハビリ(足部介入への重要性):病院/施設向け 文献

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パーキンソン病に役立つ動画

 

Parkinsons-Disease-Symptoms-Treatment

金子コメント:今日はパーキンソン病患者さんの更衣動作に対して足部から介入する、そんな話です。ADLは全身動作です。足部もOTの介入領域です。

 

というか早く部位別に対する「専門領域区分」というマインドセットを外した方が良いです。

 

本文ですが、足部のわずか5度の動きでも全身への影響は大きいことが分かると思います。

 

同じ末梢器官である手も同様の事が言えるかもしれません。

 

例えば手関節背屈の僅かな変化が起き上がり時のon hands場面や、上肢支持での作業に大きな影響を与える可能性がありますね。注意深く見ていく必要があります。

 

そして、立位での更衣動作は特に足部への分析が重要です。立位の接触面は足底のみです。そこしか触感覚は参照できません。
座位での更衣、立位での更衣、両者を分析することが大切ですね。

 

本文contents

 

パーキンソン病患者の更衣動作について

先日、ケースプレゼンで同僚のOTがパーキンソン病患者さんの更衣動作の改善をテーマにみんなでディスカッションする機会がありました。

 

立位での着脱を行うのですが、患者さんは、右肋間が狭く、右側屈を強め、立位で洋服を脱ぐ際に、右上腕骨頭あたりにひっかかり、脱ぎにくいそうです。 また、左袖をはずす際も胸郭を伸展し、外旋、回外ができず、肘でひっかかります。骨盤はわずかに左回旋していました。

 

上肢に関する訴えはしっかり細かい部分まで説明できています。

 

 

下肢に対してはどうなのか???

 

 

 

いったん臥位になってもらい、重力の影響が少ない場面で、どのような姿勢をしているのかをチェックしてみました。

 

臥位になると、立位で上部体幹の屈曲が目立っていたのですが、以外にも屈曲の要素はそれほど強くありませんでした。

 

しかし、膝関節の屈曲がなかなか伸びません。伸びるまでに20秒ほどかかりました。

 

足関節は底屈位で、背屈制限があります。

 

これほどの足の状況のため、立位では足部の制限から重心を前に持ってくることができず、後方に倒れそうになるため、膝関節を屈曲させ重心を前に移す代償をしているのではと想像ができます。

 

膝関節を屈曲位置で固定するため、更衣時に右から脱ごうとする際に、骨盤の右回旋が膝関節の影響を受け制限されるため、上部体幹での回旋要素が多大に要求されます。

 

患者さんの発言を思い出すと、上肢に対するコメントは多いのですが、膝や自分の重心の位置、バランスの不安定さに関するコメントはほとんど出ていません。

 

 

コメントがでないとは???

 

 

 

つまり、足部や膝へのawarenessが乏しいことが想像できます。body schemaになっていないといえます。知覚から言語化、スムーズなプログラミングに繋がっていないということです。

 

セラピーでは、右肋骨の屈曲や上腕骨の内旋などには介入せず、足部に注意を向けてもらい、足部の外側への重心移動を行った際に、膝関節の伸展、や股関節の外旋、伸展、骨盤の右回旋の連鎖を作っていきました。

 

これにより、膝関節の代償固定が軽減し、骨盤の右回旋ができるようになったため、上部体幹の過剰な運動範囲は要求されず、楽に脱げるようになりました。

 

足部のawarenessが更衣の上着の着脱のような一見上肢や体幹の問題のような動作も、患者さんによっては足部の影響が主要問題の患者さんもいるということがよくわかったケースでした。

 

 

足部の全身に与える影響を唱えた文献

 

更衣

Postural orientation and equilibrium: what do we need to know about neural control of balance to prevent falls? より
FAY B. HORAK(2006)

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