脳卒中(脳梗塞・脳出血)片麻痺のリハビリ:先行随伴性姿勢調整の組織化-The Organization of Anticipatory Postural Adjustments 2002 –
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カテゴリー
脳神経系
タイトル
先行随伴性姿勢調整の組織化 → 原著 The Organization of Anticipatory Postural Adjustments (2002)
内容
中枢神経による姿勢制御は予測と代償性姿勢調節を介して表現される。
・予測性姿勢制御(APA)は姿勢動揺を予期して動揺を最小限にする
・代償性姿勢制御(Compensatory reaction)は効率のよいAPAsの不十分さの結果に生じる動揺を処理するシステムである
APAs生成のプロセスは3つある
① 予測した動揺の方向や程度:体節を多く使う運動は共通してCOG の大きな重心移動を伴う。荷重のない上肢の挙上よりも、荷重のある上肢挙上の方が予測性姿勢制御の持続は増大する。予測性姿勢制御は動揺のタイミングや揺れのレベルに応じ姿勢筋活動の変化を認めた
② 動揺に関連した随意運動:proximal の活動は運動時に反対方向に大きな予測的な活動の増大を示す。すばやい運動は予測性姿勢制御の増大を生むし、ゆっくりした運動は予測性姿勢制御の活動は減少する。
③ 姿勢のタスク:姿勢が不安定なときAPAsは出現しなくなる。狭い支持面での腓腹筋の活動は、安定した支持面での同課題に比べ予測的な筋の発火は減少した。姿勢が不安定なときAPAは小さくなる。前額面よりも矢状面の方がInstabilityのAPAへの影響は大きい。
RF:大腿四頭筋の略→Rectus Femoris Reg :標準姿勢の略→regular
姿勢の不安定性な状況下でのAPASの欠如はCNSの防御的なstrategyの表出であると仮説が浮かぶ
明日への臨床アイデア
臨床において対象者のバランス、特に体幹の制御が乏しい場合、内側系が働かずAPA が乏しいなど単純に評価するのではなく、上記3点のポイントを意識し、姿勢の課題や運動課題、動揺の程度、代償はどの程度か?動作の速い遅い、予測しやすい条件化か?などAPAsが駆動しずらい原因を探ることが、治療へのアイデアにつながると思われる。
そしてその反応が予測性なのか?代償性なのかを区別した分析が重要。
氏名 金子 唯史
所属 STROKE LAB
職種 作業療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)