【有料級 2022年】反張膝の原因と治し方 装具の種類の検討まで徹底解説
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論文に入る前に
反張膝(Back Knee:バックニー)の一般的な原因
膝関節周囲筋の機能低下:膝関節周囲筋の機能低下
体幹前傾姿勢(膝関節伸展モーメントの増加)
脳卒中患者に対する膝関節周囲のトレーニングの動画もアップしていますので、ご参考にしてください。
カテゴリー
タイトル
軽症の脳卒中患者の反張膝(バックニー)と下垂足に対する弾性バンド型のAFOの効果とは??
内 容
背景
●足関節装具(AFO)は片麻痺患者にとって不快に感じる場合があります。
●本研究では、歩行時の足関節と膝関節の運動学的解析を用いて、通常の脳卒中後の高齢患者に対する弾性バンド型のAFOの有効性を確認しました。
●歩行可能な脳卒中患者に対して上図のような弾性バンド型AFOの機能的有用性(反張膝と下垂足の予防)を調査しました。
方法
●Viconを使用して、3つの異なる条件
1.何も着用しない(WI)
2.硬質プラスチック素材(EP)で作られた既存のAFO
3.弾性バンド型のAFO
を使用して歩行の評価をしました。
●評価では、歩行中の足関節の底背屈と膝関節の屈曲伸展が観察されました。
結果
●結果、弾性バンド型のAFOにて最大足底屈角度(下垂足)が減少し、背屈角度が上昇しました。また膝関節の最大伸展角度が減少し、最大屈曲値が増加しました。
●弾性バンド型AFOが片麻痺患者の歩行中の下垂足を防ぐことができることを示しました。既存のAFOよりも使い勝手が良く、履き心地も良いとのことでした。
●しかし、今回はある程度歩行に慣れている片麻痺患者を対象に実施されました。したがって、すべての片麻痺患者に一般化することはできません。
まとめ:弾性バンド型の下肢装具の効果
●自立歩行が可能で軽度麻痺の患者では弾性バンド型のAFOも選択肢の一つであることを学びました。本人が気に入った装具でないと着用しない方も増えると思うので、しっかり本人の意思・考え・療法士視点での評価と共有しながら装具を決めていきたいと思いました。
●プラスチック装具では立脚の中期以降をむしろ制限してしまう可能性があります。軽症の方でも、オルトップなどプラスチック性のものを付けて帰られる方も多いと思いますが、そのマイナス面を考慮することも重要だと感じました。より自然な歩行を獲得するには能力に応じて本論文のようなバンド性のより柔らかい素材を提案していくのも有用だと思いました。
●下垂足では遊脚期に電気刺激を用いた介入も手段の一つとなっていると学びました。バックニーに対しては足部に対する下腿のコントロールという目的で立脚期に電気刺激を用いるのも手法の一つかと思いました。前脛骨筋への貼付では、下腿の前傾のコントロール、下腿三頭筋への貼付の場合は、床をしっかり踏み、前足部へ荷重を伝達する補助として使用できるかと思いました。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
併せて読みたい【装具】関連論文
●Vol.525.脳卒中患者の歩行速度とケイデンスに対する下肢装具AFOの効果
●Vol.472.手装具の継続的な着用には快適さが重要!?慢性期脳卒中患者における手装具の長期的使用
●vol.5 :体重免荷歩行(BWSTT)と装具歩行の違いとは!?脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
●vol.105:下肢装具使用のメリット・デメリット 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー
脳卒中の動作分析 一覧はこちら
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)