Vol.581.足部と大腿・骨盤のアライメントの関係性 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー
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カテゴリー
タイトル
●立位における足部と骨盤間のアライメントの関係性
●原著はThe Relationship Between Foot and Pelvic Alignment While Standingこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●多くの高齢患者が退行性変化にて足部や脊柱から骨盤のアライメントに何かしらの問題を有している。それぞれからの運動・姿勢連鎖を再度学びたく本論文に至った。
内 容
背景
●正常な動きと各関節の分節性の相互的な関係性は、正常な身体機能の重要な要素であると言えます。遠位セグメントと骨盤のアライメントの関係については、さらに調査する必要があります。
●研究目的は、立位時に誘発された足関節の過回内運動中に遠位および近位の下肢セグメント間の相互関係を調査することでした。
方法
●研究には35人の健康な被験者が参加しました。骨盤と下肢のアライメントの変化は、VICON(動作分析システム)を使用して歩行実験室で測定されました。
●測定姿勢は立位で、4つのランダム化された姿勢での反復測定を行いました。床に直接立ってから、両側に10°、15°、20°の角度を付けた3つのウェッジに立って、両側の回内運動を20秒間誘発しました。キャプチャは10秒後に開始され、各モードが3回繰り返されました。
図参照:The Relationship Between Foot and Pelvic Alignment While Standing
結果
●脛骨のみが骨盤のアライメントに有意に影響し、足部と大腿間のメディエーターとして機能し、大腿は骨盤に対してある程度有意な影響を与えることが明らかになりました。
●脛骨が直立に起きてきて大腿が内旋すると、踵骨の外返しが大腿内旋および骨盤前傾と結合します。誘発された過回内運動に応答して、脛骨は姿勢調整において極めて重要な部分であると結論付けることができます。
●主な結果は、脛骨を通じて、誘発された踵骨の外返しに併せて生じる骨盤前傾でした。最も興味深い発見は、脛骨が大腿と骨盤のアライメントに大きな影響を与える唯一のセグメントであることがわかったことです。
私見・明日への臨床アイデア
●脳卒中患者では、例として痙縮に伴う足関節の底屈・内反、内反筋の短縮に伴う背屈時の足関節外転など問題が生じやすい。そのような足部の問題から生じる上行性の運動連鎖は観察が必要である。脳卒中患者では装具作成をすることも多いと思うが、両側の足部のアライメント調整による上行性運動連鎖まで意識できると臨床幅も広がる。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)