Vol.583.日常生活における膝深屈曲の重要性 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー
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カテゴリー
タイトル
●脳卒中患者が日常生活上における膝深屈曲の重要性
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者における各関節のコントロールできる可動域と日常生活動作の関係性に興味を持ち、学習の一助として本論文に至る。
内 容
背景
●脳卒中リハビリテーションにおけるリハビリテーションの結果とケアの質を最適化するには、患者が好んで評価する活動を特定することが不可欠です。
●日常生活において、しゃがんだり床に座ったりするような膝の深屈曲(DKF)活動は日常的に良くに行われる動作です。脳卒中患者においてその重要性を調査した研究はほとんどありません。
●研究目的は成人脳卒中と診断された患者の日常生活を行う上で、しゃがんだり床に座ったりすることの重要性を特定すること。
方法
●インドの脳卒中患者123名を対象にアンケートを実施した。
●すべての患者は、セルフケア、移動、家庭生活、仕事、地域社会への参加に関連するさまざまな日常活動を行う上での膝の深屈曲活動の重要性を評価するように求められました。
結果
●参加者の68%が膝深屈曲活動を日常生活上で非常に重要であると評価しました。
●トイレ(78%)、入浴(68%)、食事(68%)、祈り(54%)、仕事(51%)は膝深屈曲活動が男性と女性の両方から非常に重要であると評価された活動でした。しかし、男性に比べて女性の割合が高いため、料理、布の洗濯、家の掃除などの家庭生活活動が非常に重要であると評価されました。
●脳卒中患者のかなりの割合が、膝深屈曲活動が主要な日常活動を行うために非常に重要であると特定したため、しゃがんだり床に座ったりする独立したパフォーマンスは、脳卒中患者の重要なリハビリテーション目標の1つと見なす必要があります。
私見・明日への臨床アイデア
●膝の深屈曲運動は下肢全体の可動域、自重を保持できる下肢体幹の筋出力とバランスが必要である。特にしゃがんだ状態ではCOP前足部に特に非麻痺側に集中し、静止・上肢の動きに伴う姿勢変化を制御する必要がある。非麻痺側の足部上でCOGをどうコントロールするかの指導が重要である。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
併せて読みたい【脳卒中、日常生活動作】関連論文
●Vol.517.高齢女性の日常生活動作に影響する下肢関節可動域と筋力とは?
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)