Vol.604.荷重下と非荷重下での訓練における中殿筋・大殿筋の活動の違い
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カテゴリー
タイトル
●荷重下と非荷重下での訓練における中殿筋・大殿筋の活動の違い
●原著はGluteal muscle activity during weightbearing and non-weightbearing exerciseこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●リハビリでは殿筋に対し介入することは多いと思う。その際のバリエーションを増やしたいと思い本論文に至った。
内 容
背景
●先行研究では中殿筋(GMed)と大殿筋(GMax)の筋力低下が、膝のさまざまな整形外科的な問題が寄与することを示唆しています。
●現在、荷重下(WB)および非荷重下(NWB)での運動中の殿筋の筋電図(EMG)活動に関してあいまいな証拠が存在していると思います。
●本研究目的は、上記エビデンスが不足しているためWBでの運動とNWBでの 10RM運動中のGMedとGMaxの筋肉活性化を比較することでした。研究の仮説はWB運動とNWB運動間のGMedとGMaxの平均EMG活動に有意差があるだろうというものでした。
方法
図引用元:Gluteal muscle activity during weightbearing and non-weightbearing exercise
●次のエクササイズを10回繰り返して3セット実行したときにGMaxとGMedの筋活動をEMGを使用し記録しました。
図を参照してください。
(1)前方ステップアップ(2)側方ステップアップ(3)10 RM :側臥位の股関節外転(4)10RM:股関節伸展
結果
図引用元:Gluteal muscle activity during weightbearing and non-weightbearing exercise
●GMedは側臥位での10 RM間に、他の運動よりも有意に多く筋活動が得られました(運動単位が動員されました)。
●GMaxは腹臥位での10 RM股関節伸展運動時に最も筋活動が得られました。
●これらの結果は10 RMのNWB運動を行うと、負荷のない2つの機能的なWB運動よりも大きな筋の活性化がもたらされることを示唆しています。
●前方および側方のステップアップは十分高いレベルでGMaxを効果的に動員することができませんでした。GMedは、ステッピングタスク中に、GMaxよりも筋活動が得られました。アクティビティに外部負荷が追加される場合、さらに筋活動が増強される可能性があります。
私見・明日への臨床アイデア
●運動単位の動員という面ではOKCでの10RMが最も有効であった。 単純に部分的な筋力を鍛えるという面では有効であることが示唆された。 より良い筋活動を考えていく時に関節角度、速さ、他の筋との協調性など考える必要があり、質を求めていくには荷重下など他のトレーニングも必要である。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
併せて読みたい【中殿筋・大殿筋】関連論文
●vol.377:膝関節症と先行性の中殿筋の活動 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
●vol.80:大殿筋へのテーピングが脳卒中/片麻痺後の歩行に与える影響 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
●vol.283:片脚立位と中殿筋 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)