脳卒中(脳梗塞・脳出血)片麻痺のリハビリ:運動遂行と運動学習を考えてみた
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金子コメント:
皆さん…運動遂行と運動学習を常にモニターできていますか??
なんと当たり前な!!とツッコミがきそうですが、できていない人はできていないのです。
毎日のリハビリ・セラピーがマンネリ化しているセラピストの場合、遂行と学習を詳細にチェックしているはずがありません。
なぜなら、 詳細にチェックしているとマンネリになる暇がない からです!!
というか、詳細にチェックできる「眼力」がないから、マンネリ化するのです。
FIMやBarthelでの変化ってわかりやす過ぎる変化で、セラピストの目はそれらのバッテリーでは抑えられない「質」の部分を評価できる「眼力」を若いうちからトレーニングしておく必要があります。
1、2年目の頃、定期的に取らなければならない上肢検査(STEF)をやっていたのですが、「できた」か「できないか」でしか評価できず、、、眠くなるのです(僕が)
ではなく
ね。
備考欄に気づいた点を書く必要があるのですが、書けませんよ。 眠気に襲われながら密室の静かな検査室で実施していましたから。
ダメダメの1.2年目でした。
ですがSTEFに必要な身体機能や認知機能を評価でき、治療できるようになると、STEFのような紙面上検査が治療と一体化してくるんです。
眠くならないんです。
できない理由のネタ、治療プログラムのアイデアを考えられますから。
本文contents
運動遂行(motor performance)運動学習(motor learning)を考える
今日もまた、文献から臨床へ・・・・理論から実践へ・・・知っているからできるへ・・・・口だけのヒトから実際に患者さんで証明できるヒトへ・・・ 目指せ!後者!!ヾ(´ω`=´ω`)ノ
2本の論文から抜粋と翻訳しました
講習会ではmotor performanceに焦点が当てられやすいです。なんせ目の前で変えてくれる感動を受講者は求めていますからね。
ですが、motor learningに繋げるにはどのような工夫をその講師は考えているか?きちんと受講生は確認すべきです。
優れた講師であれば、治療の中で「この反応は自主トレ・ADL場面・家族を上手く活用すれば学習効率をあげられるかも!?」と皆には説明していなくても考えています。
嫌でも沸き起こってくるものなのです
運動学習にはM1もV1も両方大事で、、つまり見て身体を動かすということ。かつACCのような意思決定に関わる領域が舵を握っているため、意味のある課題や環境下を考慮せねば本当の学習には成り得ないということを説明している論文を発見したので掲載しておきます。 論文は→こちら
患者さんだけでなくセラピストも日々スキルを上げる、つまり「運動学習」ですから、患者さんを「見て」「触って」「考えて」が大切ですね。
お知らせ information
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)