作業療法士が機能訓練をして理学療法士に馬鹿にされました。チームアプローチとは?
あなたが理学療法士と作業療法士の役割の重複、特に機能訓練に関して怒りを感じているようです。その問題について詳しく説明します。
理学療法士と作業療法士の役割の違い
理学療法士と作業療法士は、両方とも重要な医療専門家であり、しばしば患者に包括的なケアを提供するために密接に協力します。しかし、彼らのリハビリテーションへの焦点とアプローチは異なります。
理学療法士は主に、けがをした人々や身体障害を持つ人々が自身の可動性を取り戻すか、それを改善するのを助けます。彼らは主に運動、ストレッチング、その他の療法的な活動を通じて痛みを軽減し、身体の機能を改善することに重点を置いています。機能訓練は理学療法士の仕事の重要な部分であり、彼らはよく患者と一緒に筋力、柔軟性、持久力、バランス、協調性を改善するための作業を行います。
一方、作業療法士は身体的、発達的、または情緒的な障害を持つ個人が自立した、生産的で、満足のいく生活を送るのを助けることにより重点を置いています。彼らの仕事は生活技能を教えること、適応装置を使用すること、環境を変更することを含みます。作業療法士も機能訓練を使用しますが、通常は日常的な活動やタスク、例えば着替え、料理、書き物などにどのように適用されるかに重点を置いています。彼らの目標は、個々がこれらの日常タスクを可能な限り自立して実行できるようにすることです。
理学療法士と作業療法士の間の機能訓練の重複は、ここでのように、時々混乱とフラストレーションを引き起こすことがあります。しかし、これらの職業が競合するものではなく、補完的なものであることを覚えておくことが重要です。それぞれが持つ独自の領域があり、リハビリチームに異なる視点を持ち込むことで、最終的には患者の利益になります。
職務内容があなたのプロフェッショナルな環境でストレスを引き起こしている場合、同僚、上司、人事部門とのオープンな対話を持つことが有益かもしれません。それぞれの役割の明確な理解と患者ケアへの各々の重要な貢献についての明確なコミュニケーションを保つことが重要です。
信念対立における解決策
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役割と責任の明確化:理学療法士(PT)と作業療法士(OT)の役割の違いを全員が理解することを確認します。これは教育セッション、セミナー、ワークショップを通じて達成できます。明確な職務内容も、責任範囲を区別するのに役立ちます。
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異業種間の協力を促す:PTとOT間の協力とチームワークを奨励します。共同での症例会議や多職種間の会議は、お互いの役割についての理解と尊重を促進します。これにより、患者に対するより包括的で統合的なケア計画を提供するのに役立ちます。
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コミュニケーションを奨励する:定期的で開放的で建設的なコミュニケーションは、誤解や対立を解消するために不可欠です。チームメンバーが自由に意見や懸念を表現できる環境を作ることが重要です。
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クロストレーニング:PTとOTがお互いの分野についてさらに学ぶ機会を提供します。これは相互の尊重を築くだけでなく、チームが患者に対して全体的なケアを提供する能力を高めます。
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共有の目標と目的:患者ケアの共通の目標を設定します。すべての人が同じ目的に向かって働いていると、焦点は患者の健康に留まり、領土紛争を減らすのに役立ちます。
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対立解決の仕組み:対立が続く場合、組織内に対立解決の仕組みを導入することを検討します。これには、調停、仲裁、または中立的な第三者を介して解決を促すことが含まれることがあります。
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リーダーシップの参画:リーダーシップチームを摩擦の解消に巻き込みます。彼らは協力的な労働環境の摩擦を設定し、各役割の重要性を強調し、発生する問題を対処することを支援できます。
覚えておくべきは、PTとOTはどちらも患者ケアにおける重要な役割を果たし、彼らの役割は競争的ではなく補完的であるということです。最終的な目標は、患者に最高のケアを提供することであり、これは全ての医療専門家が調和して働くことでより効果的に達成できます。
チームアプローチの概念が大切
リハビリテーションにおけるチームアプローチは、異なる専門家が協力して患者ケアを提供する医療提供モデルです。このアプローチでは、各専門家がそれぞれの専門知識を活かして、効果的に評価、計画、そして包括的な治療計画を実施することを重視します。
リハビリテーションチームのメンバーには通常以下のような職種が含まれます:
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リハビリテーション専門医: これらは身体医学とリハビリテーションを専門とする医師で、多くの場合、チームをリードし、疾患を診断し、全体的なリハビリテーション計画を監督します。
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理学療法士(PT): PTは、患者の身体的能力、例えば筋力、可動性、バランスの改善に取り組みます。
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作業療法士(OT): OTは、患者が日常のタスクをより自立して実行できるように、機能的能力の改善に焦点を当てます。
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言語聴覚士(ST): STは、コミュニケーションの問題や嚥下障害を助けます。
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臨床心理士: 患者がその病状の精神的側面を対処するのを助ける、メンタルヘルスのサポートを提供します。
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ソーシャルワーカー: ソーシャルワーカーは、在宅医療の手配や交通手段、保険に関する問題などの社会的問題を解決します。
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看護師: 一般的な医療ケアを提供し、患者とその家族に患者の状態とケアニーズについて教育します。
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栄養士: 全体的な健康と回復をサポートする食事指導を提供します。
チームアプローチでは、これらの専門家が定期的にミーティングを開き、患者の進捗を討論し、必要に応じてリハビリテーション計画を調整します。この全人的で統合的なアプローチは、患者の健康全般を対象にするため、より良い患者の結果をもたらします。それぞれの専門家が自分の役割を果たし、そして他のメンバーと協力することで、患者さん一人一人のニーズに最適に対応し、最良のリハビリテーション結果を達成することができます。
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)