【2023年版】家屋調査って何?住宅改修の目的と方法!訪問リハビリや退院後に知っておくべき知識 – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【2023年版】家屋調査って何?住宅改修の目的と方法!訪問リハビリや退院後に知っておくべき知識

家屋調査って何?目的は?

 リハビリテーションのための家屋調査(ホームアセスメントとも呼ばれることがある)は、特に理学療法や作業療法の観点から、人の生活環境を総合的に評価するものです。その目的は、特に病気や怪我、手術の後、あるいは慢性的な健康状態や障害を抱えている人が、自立して安全に生活する能力に影響を与える可能性のある潜在的な障壁や危険を特定することです。

 

どんな評価をしたらいいの?

 家屋調査は家庭環境の改善、必要な用具の提案、また、安全かつ効果的に自宅を移動し使用する能力を向上させることに繋がらなければなりません。一般的に評価対象となる場所や着目点をお伝えします。

・導線:出入り口が車椅子や歩行器に対して十分な広さがあるかどうか、問題となる段差や階段があるかどうか、必要な場所にスロープやリフトがあるかどうかなどをチェックします。

・安全性:転倒や他の事故を引き起こす可能性のある危険を確認する必要があります。例えば、緩いカーペット、不均等な床、照明が不十分、通路が散らかっているなどです。

・バスルーム/トイレの設備:シャワー、バスタブ、トイレがアクセス可能で安全であることを確認します。人によっては、手すり、シャワーシート、または便座の高さを調節するような改修の提案が含まれます。

・キッチンの設備:個人が食事を安全に効果的に準備できることを確認します。これには、道具を簡単に手に入れるための配置の変更や、適応ツールの推奨が含まれます。

・ベッドルームの設定:ベッドは適切な高さでなければならず、周囲に移動するための十分なスペースが必要です。必要に応じて、電動ベッドやベッド手すりなどの特殊な装置を提案する必要があります。

・生活のしやすさ:家具がサポートして適切な高さであり、必要なものに無理なく手が届くか、転倒の危険性がないかなどを確認します。

・福祉用具:リーチャーや手すり、車椅子、ウォーカー、その他の移動補助器具など、個々の独立性を支援するツールを特定します。

 

どんな知識が必要?

 療法士が家屋調査を行う場合、さまざまな知識やスキルが必要になることがあります。

・機能制限の知識:患者の身体的・認知的制限を理解することが重要です。これには、移動問題、バランス問題、認知障害、感覚障害が含まれます。これにより、家庭環境における潜在的な障壁を特定するのに役立ちます。

・環境改善の理解:療法士は、安全性とアクセシビリティを改善するためのさまざまな種類の環境改修と福祉用具について知っている必要があります。これには、手すり、ランプ、階段リフト、高さ調整可能な便座、電動ベッド、その他の補助具の取り付けと使用についての理解が含まれます。

・評価スキル:潜在的な危険や障壁についての家庭環境を正確に評価する能力が必要です。これには、物理的な障害を特定するだけでなく、患者の快適さと安全性に影響を及ぼす可能性のある照明、騒音レベル、温度などの要素を考慮することも含まれます。

・人間工学の知識:療法士は、負担を軽減し、怪我を防ぐための改良を提案するために、人間工学をよく理解している必要があります。家具や家電製品、その他の家庭用品の高さや位置の変更などを提案することができます。

・患者中心のアプローチ:推奨事項を提案する際には、患者の個人的な好みとライフスタイルを考慮することの重要性を理解するべきです。これには、患者の日常生活の日課、趣味、文化的な習慣を考慮に入れることが含まれます。

・学際的なコミュニケーション:療法士は、推奨される改修を実施するために、建築家、請負業者、ホームヘルパーなど、他の専門家と協力する必要があることがよくあります。全員が共通認識を持っていることを確認するためには、優れたコミュニケーション能力が重要です。

・地域の資源と規制の知識:家屋改修サービスを提供できる地域の資源や、関連する規制や資金援助制度に精通していることは有用です。

・疾病の進行に関する理解::進行性の疾患を持つ患者に対しては、療法士は疾患がどのように進行する可能性があるかを理解し、今後の家屋改修のニーズを予測するべきです。

家屋調査の最終目標は、患者の自立、安全、生活の質を高めることであることを忘れてはいけません。すべての推奨事項は、これらのことを念頭に置いてなされるべきです。

 

ご家族と共有しといたほうがいい内容は?

 家屋調査を行う際に、患者の家族に対していくつかの情報を明確に伝え、同意して頂くことが重要です。

・調査の目的:調査を行う理由と、それが患者にどのように利益をもたらすかを説明します。調査の目標は、患者が自宅で独立して安全に生活する能力に影響を及ぼす可能性のある障害や安全上の危険を特定することであると、家族が理解するように確認してください。

・観察と調査結果:家庭内で見つけた潜在的な障害や危険について共有します。

・推奨事項:自宅の改修や福祉用具の購入に関する推奨事項を説明します。それぞれの提案の理由と、それが患者の安全性と自立性をどのように向上させるかを説明する必要があります。

・費用と資源:推奨する改修や福祉用具にかかる可能性のある費用について率直に説明します。可能であれば、保険、政府プログラム、地元の慈善団体など、これらの費用を負担するための資源に関する情報を提供します。

・次のステップ:プロセスの次のステップを明確に説明します。これには、専門家による改修の手配、福祉用具の注文、または患者の経過を観察するためのフォローアップ訪問の予定などが含まれるかもしれません。

・質問の機会:家族が質問をしたり、懸念を共有したりする機会を提供します。彼らが計画をより理解し、それに同意するほど、推奨事項を実行する可能性が高まります。

 

新人療法士がしやすいミスは?

 新人療法士が住宅調査を行う際に、よくしてしまうミスをいくつか紹介します。

・患者の意見やニーズを見落とす:患者が自分の家と自分の能力を最もよく理解していることを忘れてはいけません。調査を行い、提案をする際には、患者を巻き込み、彼らの意見を考慮するようにしてください。

・患者のライフスタイルと好みを無視する:身体的な適応や安全性の問題に焦点を当てすぎて、患者の個人的なライフスタイルや好みを見落とすことがあります。成功する家屋改修は、安全性を高めるだけでなく、患者のライフスタイルと個人的な好みを支持するべきです。

・将来のニーズを考慮しない:特に進行性の疾患では、患者の現在の能力だけでなく、将来的に状況がどのように変わるかも考慮することが重要です。家屋改修は、理想的には将来のニーズを満たすために適応可能であるべきです。

・主要な改造にのみ焦点を当てる:階段昇降機の設置やドアの幅を広げるなどの大掛かりな改修も重要ですが、小さな、単純な改修を見落とさないようにしてください。照明を改善したり、つまずきの危険を除去したり、家具を配置換えしたりするだけでも、大きな違いを生むことがあります。

・推奨事項を明確に説明しない:コミュニケーションは鍵となります。患者とその家族に対して自分の観察結果、懸念、推奨事項を明確に説明し、メリットとデメリットを理解していることを確認してください。

・他の専門家との協力を怠る:療法士として、住宅改修に必要なすべての専門知識を持ち合わせているとは限りません。請負業者や建築家など、他の専門家と協力することで、安全かつ正確に改修を行うことができます。

・経済的な考慮を無視する:改修は費用がかかる場合があり、患者の財政状況を考慮することが重要です。彼らの予算内で解決策を推奨し、可能であれば資金調達のための可能性のある資源についての情報を提供してください。

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