【2024年版】シャルコー・マリー・トゥース病とは?リハビリを中心に原因や治療まで解説!! – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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【2024年版】シャルコー・マリー・トゥース病とは?リハビリを中心に原因や治療まで解説!!

 

シャルコー・マリー・トゥース病とは?

 

シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)は、末梢神経系に影響を及ぼす遺伝性疾患群です。筋肉を制御し、手足からの感覚情報を脳に伝える役割を担う神経が侵されます。病名は、この病気を最初に発見した3人の医師、ジャン・マルタン・シャルコー、ピエール・マリー、ハワード・ヘンリー・トゥースにちなんでいます。以下に、この病気の重要な側面について詳しく説明します。

1. 遺伝的基盤

CMTは遺伝性の疾患であり、末梢神経の機能に影響を及ぼす遺伝子の突然変異によって引き起こされます。以下のような遺伝パターンがあります。

  • 常染色体優性遺伝
  • 常染色体劣性遺伝
  • X連鎖遺伝

2. 神経系への影響

  • 運動ニューロン:筋活動を制御する運動ニューロンが侵され、主に足や手の筋力低下や筋萎縮を引き起こします。
  • 感覚ニューロン:感覚ニューロンにも影響を及ぼし、感覚の喪失やしびれを引き起こします。

3. 症状

症状の現れ方や程度には個人差がありますが、一般的には以下のようなものがあります:

  • 筋力低下と筋萎縮:特に四肢(足や手)の筋力低下が進行します。
  • 筋緊張の低下:罹患者は筋緊張の低下を示すことがあります。
  • 足の変形:ハイアーチや偏平足などが見られます。
  • 歩行障害:バランス感覚や協調性に障害を経験し、頻繁につまずいたり転倒したりします。
  • 感覚障害:主に足や手のしびれや熱さ、冷たさ、痛みに対する感受性の低下が見られます。
  • 反射の低下:腱反射の低下が見られます。

4. 発症と進行

  • 発症:症状は多くの場合、小児期または青年期に始まりますが、発症時期はさまざまです。
  • 進行:CMTは一般的に緩徐に進行する疾患で、時間の経過とともに徐々に障害が増強していきます。

5. 診断

CMTの診断には以下のような段階があります:

  • 病歴の確認:患者と同様の症状を持つ家族の病歴を詳しく調べます。
  • 身体診察:筋力低下、萎縮、感覚喪失の程度を評価するための徹底的な身体検査を行います。
  • 遺伝子検査:疾患の原因となっている特定の遺伝子変異を特定するための検査を行います。
  • 神経伝導検査と筋電図検査:末梢神経とそれが支配する筋肉の機能を評価するために行います。

シャルコー・マリー・トゥース病の理解を深めるためには、医師と相談し、適切な検査と診断を受けることが重要です。


引用:Charcot-Marie-Tooth Disease Type 1A and Inflammatory-Demyelinating Lesions in the Central Nervous System

  1. 左下の画像:

    • 脳の中間部を示しています。脳室の一部と白質がはっきりと見えます。
    • 白質における微小な変化や異常信号が見えるかもしれませんが、詳細な評価が必要です。
  2. 中央下の画像:

    • 脳の中央部分の断面を示しています。側脳室が明瞭に見えます。
    • 側脳室周囲の白質に軽度の異常信号が見える可能性があります。これはCMTに伴う神経障害や脱髄を示唆することがあります。
  3. 右下の画像:

    • 脳の下部の断面を示しています。脳室の形状がはっきりと見えます。
    • 側脳室周囲の白質に異常信号が見えることがありますが、詳細な診断には追加の画像解析が必要です。

総評

CMTは主に末梢神経系に影響を及ぼすため、MRIで明確な中枢神経系の変化を示すことは少ないです。しかし、重症例や特定の合併症がある場合には、白質の変性や脱髄を示す異常信号が見られることがあります。このMRI画像では、特定の領域に軽度の異常信号が見られる可能性があり、これがCMTの影響であるかどうかを判断するためには、詳細な臨床評価と追加の画像解析が必要です。

 

寿命・予後は?

シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)は遺伝性の末梢神経障害で、手足の筋力低下や感覚異常を引き起こします。CMTは進行性の疾患ですが、その予後や寿命に関してはさまざまな要因が影響します。以下は、CMTの寿命と予後に関する専門医からの解説です。

寿命

CMTの患者の寿命は通常、一般の人々とほとんど変わりません。多くの場合、CMTは生命を脅かす疾患ではなく、末梢神経に限定されているためです。しかし、重度の症例や特定の合併症がある場合には、生活の質や機能的独立性に大きな影響を及ぼすことがあります。

予後

CMTの予後は、以下の要因により異なります。

  1. 遺伝的変異の種類:

    • CMTにはいくつかのタイプがあり、最も一般的なタイプはCMT1Aです。このタイプでは、PMP22遺伝子の重複が原因となっています。
    • CMT2、CMT4など、他のタイプも存在し、それぞれの進行速度や症状の重さは異なります。
  2. 発症年齢:

    • 一般的に、早期に発症するほど重症化する傾向があります。小児期に発症する場合、成人期までに著しい筋力低下や感覚障害が進行することがあります。
  3. 症状の重さ:

    • 軽度のCMTでは、生活の質に大きな影響を与えることなく日常生活を送ることができます。一方、重度のCMTでは、歩行困難や手の機能障害が顕著となり、補助器具の使用が必要となる場合があります。
 
 

リハビリテーションは?

筋力と運動能力の向上

萎縮の予防

個別の運動計画

リハビリテーションの専門家は、CMTの影響を受けにくい筋肉の維持と強化に重点を置いた、オーダーメイドの運動プログラムを作成します。このプログラムでは、個人の状態に応じて強度と頻度を変えながら、さまざまな筋肉群を対象とした特定のエクササイズセットを行います。

電気刺激療法

場合によっては、筋肉の萎縮を遅らせるために電気刺激などの治療が行われることもあります。電気刺激療法は、電気インパルスを使って筋収縮を刺激し、筋緊張を維持し、筋力低下の進行を遅らせるのに役立ちます。

筋バイオメカニクス教育

筋肉の仕組みや筋肉の適切な使い方、動かし方についての教育もリハビリテーションの一環です。この教育により、筋の負担を最小限に抑え、筋萎縮を進行させないような活動の仕方を理解できます。

運動能力の向上

適応器具

装具のような補助器具を利用することで、運動能力を向上させることができます。これらの器具は弱った手足をサポートし、移動が容易になります。

水治療法

水を使って運動能力を向上させる治療法です。水の浮力によって関節や筋肉への負担が軽減され、より動きやすく快適になります。

ストレッチと柔軟性エクササイズ

定期的にストレッチを行うことで、柔軟性を維持・向上させることができます。リハビリの専門家は、CMTの影響を受けやすい部位に焦点を当てたストレッチを開発します。

バランスと協調性の向上

転倒の予防

バランストレーニング

バランスボールやふらつき板のような器具を使用することで、安定性を高め、転倒を予防します。

自宅の改修

転倒を予防するために家庭環境を改善することが推奨される場合があります。これには手すりの追加、つまずきやすい場所の除去、家のあらゆる場所の照明の確保などが含まれます。

歩行の改善

歩行訓練

理学療法士は、より安定した効率的な歩き方を身につけられるよう、個人と密接に協力します。このトレーニングには、安定性を向上させ転倒のリスクを減らすための新しい歩行技術や戦略を学ぶことが含まれます。

履物のアドバイス

適切な履物に関するアドバイスもリハビリの一環です。適切な靴を履くことで、より良いサポートが得られ、安定性が向上し、歩行がより快適になります。

歩行分析

場合によっては詳細な歩行分析を行い、個人の歩行パターンに関する具体的な問題を特定します。この情報をもとに、歩行を改善するための目標計画を立てることができます。

 

 

痛みの管理を中心に

理学療法

理学療法は、シャルコー・マリー・トゥース病に関連する疼痛管理の中心的な要素です。以下はその一例です:

標的エクササイズ

理学療法士は、筋力強化に役立つ特定の運動療法を考案し、痛みを軽減できる可能性があります。これらのエクササイズは、筋肉の柔軟性を維持し、痛みを悪化させる硬直を防ぐことに重点を置いています。

姿勢訓練

CMT患者は、筋力低下により姿勢に問題が生じることがあります。理学療法士は、正しい姿勢を維持するためのトレーニングを行い、特に背中や首の痛みを軽減することができます。

関節保護戦略

理学療法士は、日常生活の中で関節を保護する方法を指導することで、関節の緊張や使い過ぎによる痛みを予防または軽減することができます。

温熱療法と寒冷療法

温熱療法は組織を弛緩させ、患部への血流を促進します。一方、冷却療法は炎症を抑え、患部を麻痺させることで痛みを軽減する可能性があります。

代替療法

主流の医学的治療に加え、代替療法も痛みを和らげる可能性があります:

鍼治療

身体の特定のポイントに細い鍼を刺すことで、痛みを和らげる化学物質を刺激し、脳への痛みの信号を遮断すると考えられています。

マッサージ療法

定期的なマッサージ療法は、CMT患者の痛みの原因である筋肉の緊張やこわばりを軽減するのに役立つ可能性があります。また、血行を良くし、リラックスを促すことで痛みを和らげる効果も期待できます。

カイロプラクティック治療

特に脊椎やその他の関節の問題に関連している場合、カイロプラクティック治療が痛みの治療に役立つことがあります。カイロプラクターは、脊椎マニピュレーションやその他の手技による調整を行い、身体の筋骨格系の構造を適切に整えることで痛みを軽減します。

心身療法

瞑想、ヨガ、太極拳など、心と身体のつながりを育むことに重点を置いた療法です。ストレスを軽減し、痛みに対処する身体の能力を向上させることで、痛みの管理に役立つ可能性があります。

栄養補助食品とハーブ療法

場合によっては、栄養補助食品や漢方薬を用いて痛みを管理することもあります。ウコンやオメガ3脂肪酸のような抗炎症作用のある物質が有効です。ただし、サプリメント療法を開始する前に、医療従事者に相談することが重要です。

心理学的アプローチ

認知行動療法(CBT)

CBTは慢性疼痛に有効な場合があります。この療法は、痛みを管理し、痛みに対する反応を改善するための戦略を立てる手助けをすることに重点を置いています。

バイオフィードバック

この手法では、痛みに対する反応を改善するために生理的機能をコントロールする方法を学びます。痛みの軽減に役立つ可能性のある筋肉の緊張を緩和する方法を個人に教えるために使われます。

コミュニティとサポート

支援グループ

同じような経験を共有し、同じような困難に直面している人たちから学ぶことができる支援グループに参加することは、有益です。

教育ワークショップ

疼痛管理戦略に焦点を当てたワークショップに参加することで、疼痛を効果的に管理するための新しいツールやテクニックを得ることができます。

疼痛管理戦略の有効性には個人差があり、すべての治療法はCMTに精通した医療従事者と相談しながら進める必要があります。

 

関連論文は?

理学療法とリハビリテーション

CMTの管理において、理学療法とリハビリテーションが重要な役割を果たします。理学療法士と作業療法士が協力して、筋力強化や柔軟性維持、バランスの改善を目指した個別のプログラムを提供します。具体的な治療法には、低負荷のエクササイズや水治療法(ハイドロセラピー)が含まれます。これらは関節や筋肉への負担を軽減しつつ、筋力を維持するのに役立ちます​ (Physio-pedia)​​ (Charcot–Marie–Tooth Association)​。

代替療法

代替療法もCMT患者の痛みを和らげるのに役立つことがあります。鍼治療やマッサージ療法、カイロプラクティック治療、心身療法(ヨガ、瞑想、太極拳など)が効果的であるとされています。これらの療法は、筋肉の緊張を和らげ、リラックスを促し、痛みを軽減する可能性があります​ (Charcot–Marie–Tooth Association)​​ (Charcot-Marie-Tooth Disease)​。

薬物療法

現時点でCMTの進行を遅らせる薬はありませんが、症状の管理にはいくつかの薬物が使用されます。神経障害性疼痛の管理には、鎮痛薬や抗うつ薬が処方されることがあります。また、筋肉の緊張や痙攣を抑えるための薬も利用されます。治療薬の選択は、個々の患者の症状とニーズに応じて調整されます​ (Charcot–Marie–Tooth Association)​。

心理学的アプローチ

認知行動療法(CBT)は、慢性疼痛の管理に有効な心理療法の一つです。この療法は、痛みに対する認知と行動の変化を通じて、痛みの認識と対処方法を改善します。また、バイオフィードバックも筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減するために使用されることがあります​ (Charcot–Marie–Tooth Association)​​ (Charcot-Marie-Tooth Disease)​。

コミュニティとサポート

支援グループや教育ワークショップに参加することも、CMTの管理において重要です。これらの活動を通じて、同じような経験を持つ人々と情報やサポートを共有し、新しい疼痛管理の戦略を学ぶことができます​ (Charcot-Marie-Tooth Disease)​。

おすすめのリソース

これらの情報を基に、適切な治療法やサポートを見つけるために、医療専門家と相談することをお勧めします。

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