【2024年版】作業療法介入プロセスモデル(OTIPM)の実践例 と COPM,AMPSへの応用
作業療法介入プロセスモデル(OTIPM)とは?
作業療法介入プロセスモデル(OTIPM)は、作業療法士が実践を導き、クライエント中心の作業に基づいた介入を確実にするための包括的なフレームワークです。このモデルは、Dr. Anne G. Fisherによって開発され、エビデンスに基づいた実践と専門的な判断を作業療法に統合することを目的としています。以下に、医療専門家向けにOTIPMの詳細を説明します。
1. クライエント中心のアプローチ
OTIPMはクライエント中心のアプローチを強調しており、クライエントが療法のプロセスに積極的に参加することを促します。クライエントは自分の目標を明確にし、治療に関する意思決定に参加することが奨励されます。
2. 作業に焦点を当てる
このモデルは、作業(人が日常的に行う意味のある活動)を優先します。これには、日常生活活動(ADL)、手段的日常生活活動(IADL)、仕事、レジャー、社会参加などが含まれます。目標は、クライエントがこれらの作業を効果的かつ独立して行えるようにすることです。
3. 包括的な評価プロセス
OTIPMは、以下のような体系的な評価プロセスを含みます。
- 作業プロフィール: クライエントの作業履歴、経験、興味、価値観、ニーズについての情報を収集します。
- 作業遂行分析: クライエントが自然な環境で特定の作業を行う能力を観察・評価し、強みと課題を特定します。
- 環境の理解: クライエントの作業遂行に影響を与える物理的、社会的、文化的、制度的な文脈を理解します。
4. 介入計画
評価に基づき、個別の介入計画を作成します。OTIPMは、補償的および回復的な戦略を用いて作業遂行を向上させることを奨励します。これには以下が含まれます。
- スキルの開発: 特定の作業に必要な身体的、認知的、感情的なスキルの欠如に対処します。
- 適応機器: 自立を促進するための補助具や改良を推薦し、その使用方法を訓練します。
- 環境の調整: 障壁を減らし、作業遂行を向上させるために環境を変更します。
5. エビデンスに基づいた実践
OTIPMは、作業療法士が研究結果、臨床経験、クライエントの好みを介入に取り入れることを奨励します。これにより、介入が効果的でクライエントのニーズに合ったものになります。
6. 継続的な評価と調整
このモデルは、クライエントの進捗状況を継続的に評価することを促します。作業療法士は定期的にクライエントの作業遂行を再評価し、必要に応じて介入計画を調整して最適な成果を確保します。
もう少し専門的に
引用:https://s13canterbury.wordpress.com/otipum/
OTIPM(Occupational Therapy Intervention Process Model)の評価、介入、再評価のプロセスを示しています。このモデルは、クライエント中心の作業に基づいた介入を行うための包括的なフレームワークです。以下に各フェーズの詳細を説明します。
評価と目標設定フェーズ
-
クライエント中心の作業遂行コンテキストを確立する
- クライエントと協力して、彼らの生活環境や日常の活動を理解します。これは、クライエントが関わる全ての作業遂行環境を理解するための初期ステップです。
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セラピューティックラポールを築き、クライエントと協力して目標を設定する
- 信頼関係を築き、クライエントと共に目標を明確にします。これにより、クライエントのニーズと価値観に基づいた治療計画を立てることができます。
-
クライエントが報告する強みと作業遂行の問題を特定し優先順位を付ける
- クライエント自身が感じている強みと問題点を把握し、どの問題が最も重要かを決定します。
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クライエントの優先タスクを観察し、作業遂行分析を行う
- 実際にクライエントが日常活動を行う様子を観察し、どの部分で問題が発生しているかを分析します。
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作業遂行の理由を明確にし、問題を解釈する
- クライエントがなぜ特定の作業をうまく遂行できないのか、その理由を明確にします。
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クライエント中心かつ作業中心の目標を確立、確定、または再定義する
- クライエントと共に具体的な目標を設定し、それを確定または必要に応じて再定義します。
-
クライエント中心の作業遂行コンテキストにおけるリソースと制限を特定する
- クライエントの生活環境における資源(リソース)や制約を評価します。
介入フェーズ
-
代償モデルを選択する
- クライエントの能力を補うための代償戦略を選びます。
-
教育と指導のモデルを選択する
- クライエントに必要なスキルを教育するための方法を選びます。
-
作業技能訓練モデルを選択する(習得モデル)
- 特定の作業技能を習得するための訓練を行います。
-
因子および身体機能の回復モデルを選択する(回復モデル)
- クライエントの身体的または認知的な機能を回復させるための戦略を選びます。
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代償的作業の適応を計画および実施する
- クライエントが作業を効果的に遂行するための補償的な戦略を実施します。
-
教育および指導プログラムを計画および実施する
- クライエントに必要な知識やスキルを教えるためのプログラムを実施します。
-
作業技能を習得または向上させるためのプログラムを計画および実施する
- クライエントが特定の作業を習得するための練習を計画し、実施します。
-
因子および身体機能を回復または向上させるためのプログラムを計画および実施する
- クライエントの身体機能や認知機能を回復させるためのプログラムを実施します。
再評価フェーズ
- 作業遂行の向上と満足のために再評価を行う
- クライエントの進捗を定期的に再評価し、目標が達成されているかを確認します。
OTIPMの実践例(脳卒中、統合失調症の2名に対して)
クライエントのプロフィール
- 名前: 佐藤 太郎(仮名)
- 年齢: 68歳
- 病歴: 脳卒中による右片麻痺(発症から3ヶ月)
1. 初回面談
Canadian Occupational Performance Measure (COPM) の活用
- COPMは、クライエントの自覚的な作業遂行と満足度を評価するツールです。
面談の詳細:
- 作業療法士: 「佐藤さん、右手の麻痺でどのような状況で特に困っていますか?」
- 佐藤さん: 「朝食を作る際、パンをトースターに入れるのが難しいです。また、歯磨きや服のボタンをかけるのも大変です。」
- 作業療法士: 「他に日常生活で困っていることはありますか?」
- 佐藤さん: 「妻に頼らずに自分でできるようになりたいです。」
COPMを使用して評価:
-
重要度の評価: 佐藤さんにとって重要な活動をリストアップし、それぞれの活動の重要度を1〜10のスケールで評価します。
- 朝食を作ること:9
- 歯磨き:8
- 服のボタンをかけること:7
-
遂行度と満足度の評価: 各活動について、現在の遂行度と満足度を1〜10のスケールで評価します。
- 朝食を作ること:遂行度 3、満足度 2
- 歯磨き:遂行度 4、満足度 3
- 服のボタンをかけること:遂行度 3、満足度 2
結果の記録:
- 重要度平均: (9 + 8 + 7) / 3 = 8
- 遂行度平均: (3 + 4 + 3) / 3 = 3.33
- 満足度平均: (2 + 3 + 2) / 3 = 2.33
2. 観察
Assessment of Motor and Process Skills (AMPS) の活用
- AMPSは、クライエントが日常生活活動を遂行する際の運動スキルとプロセススキルを評価するツールです。
観察の詳細:
- 作業療法士: 「では、朝のルーチンを見せていただけますか?」
- 佐藤さん: 「はい、やってみます。」
AMPSを用いて観察した活動:
- パンをトースターに入れる
- 歯磨きの準備
- 服のボタンをかける
評価内容:
- 運動技能: 佐藤さんの動作の流暢さ、安定性、協調性を評価します。
- プロセス技能: 佐藤さんの活動の開始、続行、順序付け、終了を評価します。
点数化:
- 運動技能: 4(右手の麻痺により動作がスムーズでない)
- プロセス技能: 3(手順が分からず戸惑う)
結果の記録:
- 運動技能平均: 4
- プロセス技能平均: 3
3. 環境評価
環境評価の詳細:
- 作業療法士: 「住居の配置を見直しましょう。よく使うものを取りやすい位置に置きましょう。」
- 提案: よく使うアイテム(パン、トースター、歯ブラシ、服など)を左手で取りやすい位置に配置します。
4. 介入
介入の詳細:
- 作業療法士: 「目覚まし時計を遠くに置いてみましょう。また、朝のルーチンを紙に書き出してみましょう。」
- 練習: 毎朝、起床から朝食を作るまでの一連の動作を練習します。また、ソーシャルスキルトレーニングを導入し、対人関係のスキルを向上させます。
具体的な介入計画:
- COPMに基づく目標設定: 佐藤さんと共に、COPMの結果をもとに優先順位の高い目標を設定します。例えば、「朝食をスムーズに準備する」「歯磨きを独立して行う」「服のボタンをかけることができるようになる」など。
- AMPSに基づくス技能訓練: 観察結果をもとに、具体的な運動技能とプロセス技能の訓練を計画します。例えば、パンを左手で取り出し、トースターに入れる練習や、歯磨きの準備を手順通りに行う練習など。
5. 再評価と調整
再評価と調整の詳細:
- 作業療法士: 「最近の進捗はいかがですか?」
- 佐藤さん: 「少しずつできるようになってきました。まだ難しいですが、自信がついてきました。」
- 作業療法士: 「素晴らしいですね。次は昼食の準備にも取り組みましょう。」
再評価の方法:
-
COPM: 初回評価から数週間後に再度COPMを実施し、遂行度と満足度の変化を評価します。
- 再評価結果:
- 朝食を作ること:遂行度 5、満足度 4
- 歯磨き:遂行度 6、満足度 5
- 服のボタンをかけること:遂行度 5、満足度 4
- 結果の記録:
- 遂行度平均: (5 + 6 + 5) / 3 = 5.33
- 満足度平均: (4 + 5 + 4) / 3 = 4.33
- 再評価結果:
-
AMPS: 再評価時に再度日常活動の観察を行い、スキルの向上を確認します。
- 再評価結果:
- 運動技能: 6
- プロセス技能: 5
- 結果の記録:
- 運動技能平均: 6
- プロセス技能平均: 5
- 再評価結果:
まとめ
COPMとAMPSをOTIPMのプロセスに組み込むことで、脳卒中右片麻痺患者に対して具体的かつ効果的な評価と介入が可能になります。佐藤さんのような患者に対して、個別のニーズに応じた支援を提供し、生活の質を向上させることができます。これにより、患者の自主性と自信を高め、日常生活の機能を改善することができます。
OTIPMを活用した統合失調症患者の評価プロセス
クライエントのプロフィール
- 名前: 鈴木 花子(仮名)
- 年齢: 35歳
- 病歴: 統合失調症(発症から5年)
1. 初回面談
Canadian Occupational Performance Measure (COPM) の活用
- COPMは、クライエントの自覚的な作業遂行と満足度を評価するツールです。
面談の詳細:
- 作業療法士: 「鈴木さん、朝起きるのが難しいと感じているとのことですが、どのような状況で特に困っていますか?」
- 鈴木さん: 「アラームをかけても、二度寝してしまうことが多いです。ベッドから出るのがとても難しく、その後も何をすればいいのか分からなくなります。」
- 作業療法士: 「他に日常生活で困っていることはありますか?」
- 鈴木さん: 「朝食を作るのに手間取ったり、社会的な場面で友人との会話が続かないことも悩みです。」
COPMを使用して評価:
-
重要度の評価: 鈴木さんにとって重要な活動をリストアップし、それぞれの活動の重要度を1〜10のスケールで評価します。
- 朝起きること:10
- 朝食を作ること:8
- 友人との会話:7
-
遂行度と満足度の評価: 各活動について、現在の遂行度と満足度を1〜10のスケールで評価します。
- 朝起きること:遂行度 3、満足度 2
- 朝食を作ること:遂行度 4、満足度 3
- 友人との会話:遂行度 5、満足度 4
結果の記録:
- 重要度平均: (10 + 8 + 7) / 3 = 8.33
- 遂行度平均: (3 + 4 + 5) / 3 = 4
- 満足度平均: (2 + 3 + 4) / 3 = 3
2. 観察
Assessment of Motor and Process Skills (AMPS) の活用
- AMPSは、クライエントが日常生活活動を遂行する際の運動技能とプロセス技能を評価するツールです。
観察の詳細:
- 作業療法士: 「では、朝のルーチンを見せていただけますか?」
- 鈴木さん: 「はい、やってみます。」
AMPSを用いて観察した活動:
- ベッドから起き上がる
- 朝食を準備する
評価内容:
- 運動技能: 鈴木さんの動作の流暢さ、安定性、協調性を評価します。
- プロセス技能: 鈴木さんの活動の開始、続行、順序付け、終了を評価します。
点数化:
- 運動技能: 4(スムーズに動作が行えない)
- プロセス技能: 3(手順が分からず戸惑う)
結果の記録:
- 運動技能平均: 4
- プロセス技能平均: 3
3. 環境評価
環境評価の詳細:
- 作業療法士: 「住居の配置を見直しましょう。よく使うものを取りやすい位置に置きましょう。」
- 提案: 目覚まし時計をベッドから遠い場所に置き、起きるための動機付けを強化します。また、朝食の材料と道具をまとめて配置します。
4. 介入
介入の詳細:
- 作業療法士: 「目覚まし時計を遠くに置いてみましょう。また、朝のルーチンを紙に書き出してみましょう。」
- 練習: 毎朝、起床から朝食を作るまでの一連の動作を練習します。また、ソーシャルスキルトレーニングを導入し、対人関係のスキルを向上させます。
具体的な介入計画:
- COPMに基づく目標設定: 鈴木さんと共に、COPMの結果をもとに優先順位の高い目標を設定します。例えば、「毎朝決まった時間に起きる」「朝食をスムーズに準備する」「友人との会話を楽しむ」など。
- AMPSに基づくスキル訓練: 観察結果をもとに、具体的な運動技能とプロセス技能の訓練を計画します。例えば、起床時の動作を簡略化するための練習や、朝食準備の手順を視覚的に示すカードを作成するなど。
5. 再評価と調整
再評価と調整の詳細:
- 作業療法士: 「最近の進捗はいかがですか?」
- 鈴木さん: 「少しずつ起きられるようになってきました。まだ難しいですが、自信がついてきました。」
- 作業療法士: 「素晴らしいですね。次は仕事でのパフォーマンス向上にも取り組みましょう。」
再評価の方法:
-
COPM: 初回評価から数週間後に再度COPMを実施し、遂行度と満足度の変化を評価します。
- 再評価結果:
- 朝起きること:遂行度 5、満足度 4
- 朝食を作ること:遂行度 6、満足度 5
- 友人との会話:遂行度 6、満足度 5
- 結果の記録:
- 遂行度平均: (5 + 6 + 6) / 3 = 5.67
- 満足度平均: (4 + 5 + 5) / 3 = 4.67
- 再評価結果:
-
AMPS: 再評価時に再度日常活動の観察を行い、スキルの向上を確認します。
- 再評価結果:
- 運動技能: 6
- プロセス技能: 5
- 結果の記録:
- 運動技能平均: 6
- プロセス技能平均: 5
- 再評価結果:
まとめ
COPMとAMPSをOTIPMのプロセスに組み込むことで、統合失調症患者に対して具体的かつ効果的な評価と介入が可能になります。鈴木さんのような患者に対して、個別のニーズに応じた支援を提供し、生活の質を向上させることができます。これにより、患者の自主性と自信を高め、日常生活の機能を改善することができます。
OTIPMには必ずCOPMとAMPSを活用しないといけないの?
OTIPM(作業療法介入プロセスモデル)には、必ずしもCOPM(Canadian Occupational Performance Measure)やAMPS(Assessment of Motor and Process Skills)を含める必要はありませんが、これらの評価ツールはOTIPMのプロセスを補完するために非常に有効です。以下はその理由と代替案についての説明です。
COPMとAMPSの役割
COPMは、クライエント中心の目標設定と自己評価を促進するツールです。クライエントが自分の作業遂行と満足度を評価し、目標を設定するために役立ちます。
AMPSは、クライエントの運動技能とプロセス技能を評価する標準化されたツールで、日常生活活動の遂行能力を客観的に測定します。
OTIPMにおけるCOPMとAMPSの利点
- クライエント中心の評価: COPMを使用することで、クライエント自身が感じる重要な活動や目標を明確にできます。
- 客観的な評価: AMPSを使用することで、クライエントの実際のパフォーマンスに基づいた客観的なデータを収集できます。
代替案
OTIPMは柔軟なモデルであり、他の評価ツールや方法を使用することも可能です。以下にいくつかの代替案を示します。
1. Goal Attainment Scaling (GAS)
- 説明: クライエントが達成したい具体的な目標を設定し、その達成度を評価します。
- 利点: クライエント中心の目標設定と評価が可能です。
2. Functional Independence Measure (FIM)
- 説明: クライエントの日常生活活動における独立度を評価します。
- 利点: 標準化された尺度で、介入の効果を客観的に測定できます。
3. Barthel Index
- 説明: 日常生活動作(ADL)の自立度を評価するシンプルなツールです。
- 利点: 短時間で評価でき、日常生活の自立度を簡単に測定できます。
4. Self-Assessment of Occupational Functioning (SAOF)
- 説明: クライエントが自身の作業遂行能力を自己評価するためのツールです。
- 利点: クライエントの主観的な評価を基にした目標設定が可能です。
OTIPMは、作業療法士がクライエント中心の介入を提供するためのフレームワークです。COPMとAMPSは非常に有用なツールですが、必ずしもこれらを使用する必要はありません。他の評価ツールや方法を適宜取り入れることで、クライエントのニーズに応じた効果的な介入を行うことができます。重要なのは、クライエントの目標とニーズに基づいた評価と介入を行うことです。
OTIPMを用いる際の注意点は?
作業療法介入プロセスモデル(OTIPM)は、クライエント中心の効果的な介入を提供するための強力なフレームワークですが、臨床での実践にはいくつかの注意点があります。以下は、OTIPMを臨床で使用する際に留意すべきポイントです。
1. クライエント中心のアプローチを徹底する
- 個別化: クライエントの価値観、目標、ニーズに基づいて介入計画を立てることが重要です。標準化されたアプローチではなく、個別化された計画を優先しましょう。
- 意思決定への関与: クライエントを意思決定プロセスに積極的に参加させ、彼らの声を尊重することが必要です。
2. 作業の意味と目的を重視する
- 意味のある活動: クライエントにとって意味のある作業活動を特定し、それを中心に介入計画を立てることが重要です。
- 目的志向: 作業活動がクライエントの目標達成にどのように貢献するかを明確に示すことが必要です。
3. 包括的な評価を実施する
- 多面的な評価: 作業プロフィール、作業遂行分析、環境評価をバランスよく行い、クライエントの全体像を把握します。
- 定期的な再評価: クライエントの進捗を定期的に評価し、必要に応じて介入計画を調整します。
4. エビデンスに基づいた実践を行う
- 最新の研究を活用: 介入計画には、最新の研究結果やエビデンスを取り入れるようにします。
- 臨床経験の共有: チーム内での臨床経験の共有や議論を行い、最適な介入方法を見つける努力をします。
5. 環境の調整を怠らない
- 物理的環境: クライエントの生活環境が作業遂行に与える影響を考慮し、必要な調整を行います。
- 社会的環境: クライエントの家族やサポートネットワークを巻き込み、彼らが介入プロセスを支援できるようにします。
6. 学際的な協力を強化する
- コミュニケーション: 他の医療専門家との円滑なコミュニケーションを保ち、情報共有を徹底します。
- 共同作業: 学際的なチームでの協力を通じて、クライエントの多面的なニーズに対応します。
7. クライエントのエンパワーメントを促進する
- 自立支援: クライエントが自己効力感を持ち、自立した生活を送るための支援を行います。
- 教育とトレーニング: クライエントおよびその家族に対して、介入の目的や方法について十分な教育を行います。
8. 倫理的配慮
- インフォームドコンセント: クライエントの同意を得てから介入を行い、彼らの意思を尊重します。
- プライバシーの保護: クライエントのプライバシーを厳守し、個人情報の取り扱いに注意します。
結論
OTIPMを臨床で使用する際には、クライエント中心のアプローチ、作業の意味と目的の重視、包括的な評価、エビデンスに基づいた実践、環境の調整、学際的な協力、クライエントのエンパワーメント、倫理的配慮が重要です。これらの注意点を守ることで、クライエントの生活の質を向上させる効果的な作業療法を提供することができます。
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)