【2024年版】6分間歩行テスト (6MWT)とは?エビデンスから評価・実践方法まで解説! – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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【2024年版】6分間歩行テスト (6MWT)とは?エビデンスから評価・実践方法まで解説!

6分間歩行テストとは?

目的 6分間歩行テスト(6MWT)は、クライアントが6分間で歩ける距離を評価する機能的な歩行テストです。このテストは、脳卒中、頭部外傷、パーキンソン病、および肺や心疾患の評価に使用されます。

使用されているバージョン 脳卒中患者には、12分間、6分間、5分間、3分間、2分間の歩行テストがあり、それぞれの特徴は以下の通りです。

  • 12分間歩行テスト(12MWT): 健康な人の体力評価に使用。患者には疲労感が大きい。
  • 6分間歩行テスト(6MWT): 呼吸器疾患患者の運動耐性評価に使用。簡単で忍耐性が高く、日常生活のパフォーマンスを反映しやすい。バランスや動作の質を評価しない。
  • 2分間歩行テスト(2MWT): 慢性気道閉塞患者の運動耐性評価に使用。6MWTや12MWTと高い相関があるが、変化に対する感受性が低い。

テストの特徴

  • 6MWTは、100フィート(約30メートル)の静かな屋内の直線的な廊下で行います。3メートルごとにカラーテープでマークし、ターンアラウンドはコーンでマークします。

テスト準備

  • クライアントは、快適な服装と適切な歩行靴を着用し、通常の歩行補助具(杖や歩行器など)を使用し、通常の薬を服用します。テスト前2時間以内に激しい運動を避けます。
  • 臨床医は、クライアントにボルグスケールを使用して基準となる息切れと全体的な疲労を評価させます。パルスオキシメトリもオプションで使用できます。

テストの手順

  1. クライアントに次のように指示します:「このテストの目的は、6分間でできるだけ遠くまで歩くことです。廊下を往復します。6分間は長いので、息切れや疲れを感じるかもしれません。必要に応じて速度を落としたり、止まったり、休んでも構いませんが、すぐに歩行を再開してください。」
  2. 自身が1周デモンストレーションします。
  3. クライアントをスタートラインに立たせ、歩行開始とともにタイマーを開始します。
  4. 歩行中は会話を避け、均一な声のトーンで次の励ましの言葉を伝えます:
    • 残り5分:「順調です。あと5分です。」
    • 残り4分:「その調子です。あと4分です。」
    • 残り3分:「順調です。半分過ぎました。」
    • 残り2分:「その調子です。あと2分です。」
    • 残り1分:「順調です。あと1分です。」

この手順を守り、クライアントが6分間で最大の距離を歩けるようにします。

6分間歩行テスト評価表

項目 詳細
患者名
患者ID
試行番号
技術者ID
日付
性別
年齢
身長
体重
血圧
テスト前の服用薬(用量と時間)
テスト中の酸素補給
基準値
時間
心拍数
呼吸困難(ボルグスケール)
疲労(ボルグスケール)
SpO2
6分前に停止または一時停止したか
その他の症状(運動終了時)
周回数
最終部分の距離
6分間で歩いた総距離
予測距離
予測パーセンテージ
技術者コメント
解釈(介入前の6MWTとの比較を含む)

テストの手順

  1. 準備:

    • クライアントはテスト開始前に10分間椅子に座って休む。
    • 服装や靴が適切であることを確認。
    • ワークシートの最初の部分を記入。
  2. テストの実施:

    • クライアントに次の指示を伝える:「このテストの目的は、6分間でできるだけ遠くまで歩くことです。廊下を往復します。必要に応じて速度を落としたり、止まったり、休んでも構いませんが、すぐに歩行を再開してください。」
    • クライアントが準備ができたら、タイマーをスタート。
    • クライアントが歩行中は励ましの言葉を伝える。
  3. 励ましの言葉:

    • 残り5分:「順調です。あと5分です。」
    • 残り4分:「その調子です。あと4分です。」
    • 残り3分:「順調です。半分過ぎました。」
    • 残り2分:「その調子です。あと2分です。」
    • 残り1分:「順調です。あと1分です。」
  4. テスト終了後:

    • クライアントに歩行後の呼吸困難と全体的な疲労レベルをボルグスケールで評価させる。
    • 「何があなたをもっと遠くまで歩くのを妨げましたか?」と尋ねる。
    • パルスオキシメーターを使用している場合、SpO2と心拍数を測定し、センサーを取り外す。
    • ワークシートに周回数と総歩行距離を記録。
    • クライアントに努力を称え、水を提供する(嚥下障害でない場合)。

スコアリング

  • 6MWT中に歩行した周回数と距離を記録。
  • 休息の回数と時間を測定。

使用機器

  • ストップウォッチ
  • パルスオキシメーター(オプション)
  • 椅子(途中休憩用)
  • コーン(ターンド用)
  • その他安全機器(酸素源、電話、自動電子除細動器)

代替テスト

  • 12MWTおよび2MWTも脳卒中患者において有効。
  • その他のバージョンとして3MWTおよび5MWTも使用されることがあります。

実践例

シーン 1: 準備

リハビリ室で、金子先生が丸山さんを迎えました。

金子先生:「こんにちは、丸山さん。今日は6分間歩行テストを行います。このテストは、6分間でどれだけの距離を歩けるかを測るものです。体力の状態を評価するためにとても重要なテストです。」

丸山さん:「わかりました。今日は調子がいいので、頑張ります。」

金子先生:「では、まず椅子に座って10分間リラックスしてください。その間に服装や靴が適切か確認し、ワークシートの最初の部分を記入します。」

シーン 2: テストの説明

金子先生が丸山さんにテストの説明をしました。

金子先生:「この廊下を往復して、できるだけ遠くまで歩いてください。必要に応じて速度を落としたり、休んだりしても構いませんが、できるだけ歩き続けてください。私が励ましの言葉をかけますので、それに従ってください。」

丸山さん:「はい、わかりました。」

金子先生:「では、準備ができたら始めます。スタート地点に立ってください。準備はいいですか?」

丸山さん:「はい、大丈夫です。」

シーン 3: テストの実施

丸山さんがスタートラインに立ち、金子先生がタイマーをスタートしました。

金子先生:「スタート!」

丸山さんが歩き始めました。1分ごとに金子先生が励ましの言葉をかけます。

金子先生:「順調です。あと5分です。」

金子先生:「その調子です。あと4分です。」

金子先生:「順調です。半分過ぎました。」

金子先生:「その調子です。あと2分です。」

金子先生:「順調です。あと1分です。」

シーン 4: テスト終了

6分が経過し、金子先生がタイマーを止めました。

金子先生:「お疲れ様でした、丸山さん。今の気分はいかがですか?」

丸山さん:「少し疲れましたが、大丈夫です。」

金子先生:「では、呼吸困難と疲労のレベルをボルグスケールで評価してください。」

丸山さん:「呼吸困難は3、疲労は4ですね。」

金子先生:「ありがとうございます。周回数と総歩行距離を記録しますね。」

金子先生がワークシートに記入しました。

シーン 5: 結果の評価

金子先生が結果を計算しました。

金子先生:「丸山さん、今回の6分間での総歩行距離は420メートルでした。これは前回の380メートルよりも大幅に向上していますね。」

丸山さん:「本当ですか?それは嬉しいです。」

金子先生:「ええ、素晴らしい結果です。これからもこの調子でリハビリを続けていきましょう。お疲れ様でした。」

評価と点数化

6分間歩行テスト評価表

項目 詳細 記入内容
患者名 丸山太郎
患者ID 12345
試行番号 1
技術者ID 6789
日付 2024年7月27日
性別
年齢 65
人種 日本人
身長 1.73メートル
体重 70キログラム
血圧 120 / 80
テスト前の服用薬(用量と時間) アムロジピン 5mg 8:00 AM
テスト中の酸素補給
基準値 テスト終了時
時間 9:00 AM
心拍数 72
呼吸困難(ボルグスケール) 0
疲労(ボルグスケール) 0
SpO2 98%
6分前に停止または一時停止したか
その他の症状(運動終了時) 狭心症: 無、めまい: 無、股関節痛: 無、脚の痛み: 有、ふくらはぎの痛み: 無
周回数 7 (420メートル)
最終部分の距離 20メートル
6分間で歩いた総距離 440メートル
予測距離 400メートル
予測パーセンテージ 110%
技術者コメント 丸山さんは非常に良いパフォーマンスを示し、前回のテストよりも大幅に向上しました。少し脚の痛みを感じましたが、他には特に問題はありませんでした。
解釈(介入前の6MWTとの比較を含む) 丸山さんの総距離は前回の380メートルから440メートルに向上し、予測距離の110%に達しました。呼吸困難と疲労のレベルはやや増加しましたが、全体的に見て非常に良い結果です。

このように、具体的な記入内容をもとに丸山さんの6分間歩行テストの評価が行われました。リハビリの進捗が見られ、これからの継続的なリハビリに対するモチベーションを高める結果となりました。

上記内容は、STROKE LAB代表の金子唯史が執筆する 2024年秋ごろ医学書院より発売の「脳の機能解剖とリハビリテーション」から
以下の内容を元に具体的トレーニングを呈示します。

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