vol.36:眼球運動・認知機能における小脳の重要性 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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vol.36:眼球運動・認知機能における小脳の重要性 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

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眼球運動と小脳 見出し画像1

 

見出し画像2(眼球運動・認知機能と小脳)

 

 


 

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カテゴリー

小脳,眼球運動 ,脳科学
 
 
 

タイトル

小脳の連携と機能 Cerebellum: connections and functions?PubMedへ Glickstein M et al:Cerebellum. 2008
 
 
 

内 容

概 要

●運動制御に加えて,適応反射・運動学習,この三つの性質の証拠は,小脳が認知機能を含んでいるという考えを支持している。
 
●小脳障害を呈した患者は認知課題の遂行が欠如すると報告されている。
 
●小脳はたびたび認知課題を遂行するときに活性化する。それは運動前野からの接続があり,認知の要素を含んでいるのかもしれない。
 
●この論文は,その根拠のための解剖学的な証拠を再検討している。
 
●認知エリアとの接続は少なく,イメージングによる証拠は認知よりも眼球(目)の運動制御を小脳の役割は反映するかもしれないということである
 
 
 

結 果

●小脳機能:ルッシアーニの注意深い観察によると小脳の障害は筋弛緩・筋緊張の消失・筋のweakness・無力症・起立不能・動揺・振戦のような協調性の欠如を呈示している。
 
●正常の運動や姿勢は,筋や腱・関節といった求心性のものと同様に前庭システムからの入力を受けている。
 
●シェリントンは小脳の障害により運動システムへの固有感覚入力の欠如が原因によって欠陥が生じ,小脳は固有感覚システムの主要な神経節であるとした。

 
 
●近年の小脳と認知との報告:小脳と大脳皮質の解剖学的なコネクションをシャームハムによって証拠づけられた論文が出ている。
 
●近年の科学的な進歩からわれわれの仮説は小脳に何が入力され,どこへ投射されるのかということである。
 
●今回の論文ではイメージングテクニックに基づく小脳の認知機能の役割の根拠を出している。
 
●大脳から小脳へのいくつかの入力は眼球運動を主要とする認知機能であることが明らかとなった。 cerebellar-lobes

Fig.1:小脳の出力とその連携先 引用出典元:HumanPhysiology.Academy

 

●小脳への入力:人間や霊長類において橋核への入力は圧倒的に皮質からである。
 
●下小脳脚は下オリーブ核・脊髄小脳路・前庭系から入力を受ける。
 
●下小脳脚は認知系とのリンクがあるという意見もある。
 
●小脳系からの出力:小脳核の軸を経由し,大部分は上小脳脚・赤核・視床へと伝えられる。 4_06

Fig.2:小脳の入力とその連携先 引用出典元:HumanPhysiology.Academy

 

slide12

Fig.3:Where(どこ)経路とWhat(何)経路 引用出典元:NYU

 

まとめ

●運動前野背側部から補足運動野といった内側方向に向かうにつれて大脳基底核との接続が強くなり,運動前野腹側部と一次運動野が小脳とのコネクションが強い。

 
●大脳小脳連関は視覚誘導性に重要な役割を果たしている。
 
●小脳皮質は,手の方向よりもターゲットの運動方向に依存して活動を変化させる。
 
 
 

明日への臨床アイデア

●この論文は小脳の役割が予測的な眼球運動がメインとなり大脳皮質との接続を説明している。
 
●小脳疾患の患者,あるいは運動学習を考える際に眼球運動や課題の動きに対する患者の反応をしっかり捉える必要がある。
 
●近年,小脳が認知機能に関与していることがTopicとなっていたが,何における認知に関与しているかまでを重要視しながら臨床に応用しているかを意識したことはあまりなかった。
 
●結果としての眼球運動という捉え方だけでなく,認知的側面から運動前野よりPlanningに使用できているかまでを意識して反応を汲み取り,評価することが重要であると考えられる。

 

 

執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表

・国家資格(作業療法士)取得

・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務

・海外で3年に渡り徒手研修修了

・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆

 

 

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