脳卒中サバイバーの立ち上がりの特徴 転倒しやすいヒト、しにくいヒト その① 立ち上がりのスピード
お疲れ様です。
STROKE LAB代表の金子です。
ブログをできるだけたくさん書く、という目標を掲げてますが、ネタが切れてきてます。
もう歳ですかね??
そういう時は専門系へと向かいます。
専門系へと移行しているときはネタが切れている証拠です。あしからず。
さて、今日のネタは
脳卒中サバイバー(患者さん)の方々の立ち上がりの特徴です。
特別な事は書いていないです。皆さんが知っていることです。
ただ、論文なので数値化されていてわかりやすいです。
また、「健常人」「転倒しない脳卒中群」「転倒しやすい脳卒中群」の3つに分けています
以下にシンプルな数値を掲載しています
まずいちばん最初!!!
当たり前ですが、転倒しやすい群が一番立ち上がりに時間を要しています。
なぜゆっくり立たなければならないのか?そこには理由がそれぞれあるはずです。
筋力の弱さ、麻痺の影響、転倒への恐怖心、非効率な運動パターン、感覚低下、代償などなど
結論!!「ゆっくり立つ患者さんは転倒しやすい!! 」
と、単純に結論付けてはいけません。
転倒しやすい群のスピードの平均値は4.32±2.22です
2.22も幅があります。 つまり、転倒しやすい患者さんで2秒ちょいで立つ人もいるのです。
僕が新人の頃、すぐに立って車いすに移れる患者さんがいました。
僕はそれを見て!!「すごい!!そんなに早く移れるんですね。筋力もあるし。転倒しないね!車いす移乗自立…」
ところがっどこい、、その患者さんは3日後転倒しました。
今なら評価できますが、筋力や慣性(Momentum)を最大限に利用して、移る方もいます。
そういう方はむしろゆっくり移れません。ゆっくりはいい意味でも悪い意味でもFeed back使っていますから。
早く移るヒトはFEED BACKは最小限です。FEED FORWARD優位で、
狙いは定めた!!動くなよ椅子!!俺すぐにお前のところに向かうからいいな!!みたいな感じで、ある程度予測立てたらそのままGOです!!つまり制御・制動CONTROLができないんです
そういう場合、仮に床が滑りやすかったり、ブレーキかけ忘れていたり、座面のクッションがすべりやすかったり、、 などなど、「不都合な真実」が重なっていたらどうなるでしょうか!?
そのままスッテンコロリンですよ。
FEED BACKを状況に応じてupdateができるかがミソです!!
つぎに・・もう寝ます。今日のテーマは1年目セラピストでしょうか??
明日は2つ目の下肢荷重の左右差について説明します。
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)