脳卒中患者の立ち上がりの動作分析 その⑥ 立ち上がり時は上肢機能も評価せよ!! – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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脳卒中患者の立ち上がりの動作分析 その⑥ 立ち上がり時は上肢機能も評価せよ!!

お世話になってます。

STROKE LAB代表の金子です。

最近は自分が何屋かわからなくなってきましたが、「面白いことをやりたい屋さん」と割りきってます。

セラピーも講師も執筆もブログも、全部おもしろいですからやるし、続けられるのだと思ってます。

 

さて今回は立ち上がりシリーズの6番目、上肢機能について触れたいと思います。

上肢のセッティング

The effect of arm movement on the biomechanics of standing up 1994より引用

 

 

まず左の分類からいうとpreferredは被検者が好む、もっとも自然な上肢の位置です。体側に垂らしているようなイメージでしょうか。

次にRestrictedですが、これは上肢を固定して肩甲上腕関節に動きが生じないようにセッティングしています。 最後のPointingですが,およそ肩関節90度で手の接触を使っています。

 

テーブルに指先を触れているようなイメージです。

 

いくつか図があるのですが、COG(center of gravity)の水平方向への動き(horizontal)、垂直方向への抗力(Vertical)ともに、上肢を制限されているセッティングでは、数値が下がっています。

 

つまり、立ち上がりにおいて重心移動を制限されるため、より努力量(関節、筋力、神経)を多く必要とします。

 

特に脳卒中の患者さんの場合、上肢に機能障害をきたしている患者さんは多く、上記実験のような健常人よりも更なる運動制限を生じやすいと考えます。

 

例えば、立ち上がりで、前方への水平移動を誘導した際に、COGが水平ではなく、前方に移動すればするほど下方に下がってきます。下方に下がれば立ち上がり時の離殿時に垂直抗力を多大に必要とします。

 

作業療法の場面では、食事をする際に「麻痺側をテーブルの上に置きましょう」とか車いす姿勢で枕を膝上に置いたり、アームレストをセッティングして、上肢を置くようなシーティングをしますよね?

 

 

これって、もちろん肩関節保護、上肢への注意喚起、浮腫予防など、様々なメリットを生み出すためですが、上肢を上記実験のようにポインティング位に位置するだけで、COGの移動が容易になるのです。

 

 

食事の場合は、食器にリーチする、口元に運んだ際の頭頸部や顔面の動きなど、垂直抗力への運動もサポートしてくれることがわかります。

 

 

まとめると、上肢の動きをできるだけ制限せず、患者さんに無理のない範囲で、できるだけ挙上位の条件をつくること、

 

これらがADLに影響してくるということです。

 

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