vol.342:脳卒中患者へのコーチングの効果 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
脳卒中患者へのコーチングの効果
Efficacy and Safety of Individualized Coaching After Stroke: the LAST Study (Life After Stroke) A Pragmatic Randomized Controlled Trial?PubMed Askim T et al.(2017)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・患者の退院時ホームエクササイズ指導などを考えていた際に、ホームエクササイズが本当に効果があるのか、どのようなホームエクササイズが効果的かを考えた過程で本論文に至る。
内 容
背景
・脳卒中後の長期的視点での機能低下を予防するための介入のエビデンスは欠けている状態です。
目的
・個別に身体活動と運動についての定期的なコーチングを18ヶ月間フォローアッププログラムとして行った場合の有効性と安全性を評価することであった。
方法
・多施設共同で行った。脳卒中後10~16週の退院後の脳卒中患者380名を定期指導群と通常ケア群に分けて検証した。
・アウトカムとしてBarthel index/modified Rankin Scale/item 14 from Berg Balance Scale/Timed Up and Go test/gait speed/6-minute walk test/ Stroke Impact Scaleを評価した。
・二次的なアウトカムとして有害事象の頻度・訓練日記、国際身体活動アンケートを記入した。
結果
・Barthel index・modified Rankin Scale・item 14 from Berg Balance Scaleはグループ間で差はなかった。
・再発などの有害事象の頻度は両群とも低かった。
・訓練日記、国際身体活動アンケートでは活動レベルは上昇したが、運動の強度は低かった。
・結論として、定期的な個別指導は、標準的ケア群と比較して、運動機能の維持または二次的アウトカムを改善しなかった。
私見・明日への臨床アイデア
・マニュアル的な指導でなく、個別性で対応すべきである。現在効果的な訓練内容がどのように行えば自宅でも行えるのか、それがどのような事に繋がっていくのかを考えていく必要がある。
・病院と在宅では生活の仕方が大幅に変わると考える。その場合に起こり得るギャップを考慮して指導していく必要がある。
氏名 shuichi kakusho
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)