他動運動と自動運動のリハビリどちらがいいの??脳卒中/脳梗塞論文サマリー
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カテゴリー
脳卒中 バイオメカニクス
タイトル
片麻痺痙縮患者の腱短縮の改善の結果 Outcomes of tendon fractional lengthenings to improve shoulder function in patients with spastic hemiparesis Namdari S, Alosh H, Baldwin K, Mehta, Keenan MA. J Shouolder Elbow Surg.2012:21(5):691-8
内 容
BACKGROUND
・上位運動ニューロン損傷による痙縮片麻痺患者は肩関節可動域制限を頻繁に示す。
・我々は痙縮患者の腱短縮と随意的制御の結果を評価した。
METHODS
・34名の上位運動ニューロン損傷から成人片麻痺痙縮患者の連続シリーズ(脳卒中後23名、外傷性脳損傷後11名)と長期的な肩関節腱短縮を経験し、随意的運動制御で維持された肩関節可動域制限(大胸筋、広背筋、大円筋) は評価された。
・自動的・他動的肩関節運動、痙縮、疼痛、そして代償は動作前後で考慮した。
RESULTS
・平均年齢44.1歳の男性15名、女性19名が対象となった。平均12.2ヶ月のフォローアップであった。
・平均Modified Ashworth spasticity scoreは動作前2.4と比較して動作後は1.9であった(P = .001)。
・自動運動での屈曲、外転、外旋は反対側の健側と比較して改善し(P < .001)ほとんど外旋で劇的に改善した。同様に他動的伸展、屈曲、外転、外旋は対側の健側と比較して改善した(P < .01)。動作前疼痛94%(15/16)は疼痛軽減し、動作後は14名(84%)が無痛になった。31人は(92%)結果に満足した。
CONCLUSIONS
肩関節の靭帯の長さは上位運動ニューロンによる痙性片麻痺患者にとって疼痛軽減、動作改善、自動運動機能の改善、痙縮改善の有効手段になりうる。
明日への臨床アイデア・感想
・内旋筋の短縮は生じやすく外旋位の保持により筋の長さを保持することは重要だと考えます。
・他文献でも急性期脳卒中患者に対してポジショニングによって可動域を維持できるという文献もあります。しかし、フォローアップを受け自動運動可能であれば、今回のように自動運動を行うことの方が他動運動より優れた選択肢なのかもしれません。
・一方、他動運動の目的は可動域改善であってはならないという問いかけにも感じます。どのように他動運動で動きを知覚させ、動かしやすいという体験から記憶し学習していくか、この過程を大事にしていきたいと思います。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)