vol.215:特発性側弯症と腹部筋の対称性 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
超音波を用いた、特発性側弯症を有する若年者の腹部筋対称性の評価
Ultrasound evaluation of the symmetry of abdominal muscles in mild adolescent idiopathic scoliosis?PubMed Paweł Linek J Phys Ther Sci. 2015 Feb; 27(2): 465–468.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・特発性側弯症の患者の筋活動をみることで、臨床にて前額面上に脊柱アライメントの崩れを呈する患者の体幹筋活動の考察に活かせないか、と考え読むことにした。
内 容
背景・目的
・特発性側弯症の原因は未だ解明されていないが、筋活動の非対称性は研究にて証明されている。
・特に腹横筋と腹斜筋群は姿勢保持に重要な筋であり、側弯症患者の筋活動がどうなっているか、検討することは有意義であると思われるが、その点に着目した論文は少ない。
・よって本研究は特発性側弯症患者の腹部筋活動を、超音波を用いて検証する。
方法
・42名の特発性側弯症患者と42名の健常成人
・超音波にて背臥位と立位の外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の筋厚を計測
・非対称性を検証するため、以下の式で表現する
[(右側の筋厚-左側の筋厚)÷右側の筋厚]×100
結果
表:実験結果 Paweł Linek (2015)より引用
・外腹斜筋、内腹斜筋の非対称性に群間の有意差はなかった。
・背臥位のみ腹横筋の非対称性に群間の有意差がみられた。
私見・明日への臨床アイデア
・本研究では群間の有意差はほとんど得られず、背臥位時の腹横筋のみ側弯症群と健常群に差がみられた。
・表を見ると、背臥位での数値が立位に比べて大きいことが多い。これは背臥位の方が左右の筋厚に差が大きく、立位では差が小さくなることを示している。しかし、立位で差が小さくなったからといって、腹部筋群が収縮しているのか、もしくは単に短縮位をしているのかはこのデータからはわからない。同時に筋電図での分析が必要かもしれない。さらなる研究が必要なのであろう。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)