vol.277:ヒラメ筋筋線維の3次元的構造 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
ヒトの筋腱組織の構造的、機能的特徴
Structural and functional features of human muscle-tendon unit.
?PubMed Finni T Scand J Med Sci Sports. 2006 Jun;16(3):147-58.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・腱や腱紡錘について興味があり調べていたときに本レビューをみつけ、ヒラメ筋の構造について詳しく記載していたため記事にしようと思った。今回はレビューの一部のみを扱った。
内 容
ヒラメ筋の3次元的解剖
図:ヒラメ筋の構造と収縮方向 Finni T (2006) より引用
Fiber:筋線維方向
Origin:起始
Insersion:停止
Anterior:前方
Posterior:後方
Median Septum:正中中隔
Soleus muscle:ヒラメ筋
Cross-sectional view:横断面
・ヒラメ筋には2つの部位に分けることができ、図のAS(前方部分)とPS(後方部分)となる。
・ASとPSを分けているのは図の灰色部分であり、内部腱膜である。AS、PS両方の起始となっている。
・ヒラメ筋の中央にある正中中隔はアキレス腱につながり、筋内部で筋線維の付着位置を提供している。
・正中中隔を除く黒い線は腱膜であり、シート状となっている。
・収縮した際は矢印にあるように停止部(黒線)が起始(灰色線)に近づく。
・ASは放射状の羽状筋、PSは半羽状筋となっている。
私見・明日への臨床アイデア
・ヒラメ筋は紡錘状筋だと勝手に思っていたが、内部腱膜を有する羽状筋(半羽状筋)であることがわかった。羽状構造のため生理的横断面積が大きく、さらに放射状に配列されていることで筋線維数も同体積の紡錘状筋より多いことが予想され、ヒラメ筋は収縮力を出しやすい構造を有していることがわかる。
・収縮を補助する際は単純に垂直上方向に介助するのではなく、ヒラメ筋筋線維の収縮方向を意識し、筋線維を内部腱膜に寄せつつ垂直上方向に補助する方が有効ではないだろか?
・ヒラメ筋をマッサージする際も、この線維方向を意識することで効果が高まるかもしれない。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)