vol.330:股関節外転位・内転位でのスクワット動作 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
スクワット動作中の健常成人のパテラと股関節安定筋の活動
Muscular activity of patella and hip stabilizers of healthy subjects during squat exercises.
?PubMed Felício LR Rev Bras Fisioter. 2011 May-Jun;15(3):206-11.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・立ち上がり動作の股関節外転筋・内転筋の運動力学的データを知りたいと思いデータベースを検索していたところ、スクワット動作がある程度立ち上がり前額面に近い動作であると述べられており、今回スクワット動作中の股関節外転筋について着目した論文を読むことにした。
内 容
背景・目的
・本論文は正中位スクワットと股関節外転・内転位でのスクワットにおける、パテラと股関節の安定化筋の筋活動を検証する。
方法
・15名の座位生活中心の女性(膝関節痛なし)
・内側広筋斜走線維(VMO)、外側広筋斜走線維(VLO)、長外側広筋(VLL)、中殿筋(GMED)に筋電図の電極を貼付した。
図:電極貼付位置 Felício LR (2011)より引用
・正中位のスクワット、体重の25%の錘を負荷し、背部と壁どボールを挟んだ状態で股関節外転位、内転位のスクワットの計3種類のスクワットを行った。
図:スクワット3条件 Felício LR (2011)より引用
① スクワット膝屈曲60°
② ①に股関節内転等尺性収縮
③ ①に股関節外転等尺性収縮
・それぞれの条件に対し、膝屈曲位で6秒間静止のスクワットを3回行った。
結果
表:実験結果 Felício LR (2011)より引用
・股関節内転位、外転位でGMEDの活動が有意に大きかった。
・股関節内転位でVMOの活動が有意に大きかった。
・股関節内転位、外転位でVLLの活動が有意に大きかった。
私見・明日への臨床アイデア
・データはスクワット膝屈曲時の等尺性収縮のものであり、立ち上がりというよりは着座時の中殿筋や広筋群の活動を示唆するものだった。
・等尺性収縮時の筋電位ではなく、動作中の二―イン、ニーアウトする場合の床反力や関節モーメントを知りたい。
職種 理学療法士
塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)