vol.291:膝OA患者に対する超音波療法の効果 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
歩行
タイトル
膝OA患者の治療期間に対する超音波の効果
Comparison of therapeutic duration of therapeutic ultrasound in patients with knee osteoarthritis?PubMed Mustafa Aziz Yıldırıım J Phys Ther Sci. 2015 Dec; 27(12): 3667–3670.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・超音波を用いて変形性膝関節症の治療を試みたことがある。その効果は研究ではどのように証明されているか気になり、本論文を読もうと思った。
内 容
背景・目的
・変形性関節症(OA)はQOLに多大な影響を与える最も一般的な進行性疾患のひとつである。
・治療のひとつとして超音波療法があるが、研究にて効果は実証されていないのが現状である。
・しかし、臨床現場では依然として使われており、効果の実証が求められている。
・本研究は超音波療法が膝OAに対して有効かどうかを無作為化比較試験にて検討する。
方法
・実験の流れはベースライン計測、2週間の治療、アウトカム再計測とした。
・アウトカムはVAS、Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index (WOMAC:OAに対する痛みの評価、高得点はよりOAがより重症) Lequesne (Leq) index (日常生活における障害の程度を評価)、Beck Depression Inventory (BDI:うつ病に対する評価)
・超音波治療群(G1)50名とプラセボ群(G2)50名に分けた。
・両群ともに20分のTENSと両側大腿四頭筋の等尺性収縮訓練を行った。
結果
表:実験結果 Mustafa Aziz Yıldırıım (2015)より引用
・両群ともにVAS、WOMAC、Leqの群内の有意な改善がみられた。
・VAS、WOMACの痛みとスティフネス、BDIに群間の有意差は得られなかった。
私見・明日への臨床アイデア
・超音波療法の有無によって群間の有意差は得られなかった。今回100人を被験者として集め、実験プロトコルも無作為化比較試験でエビデンスレベルの高いものであるため、研究上では超音波は効果があるとは言えないのではないだろうか。追加研究に期待したい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)