vol.264:認知障害を有する脳卒中者の課題指向型訓練 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
認知障害を有する脳卒中者の課題指向型訓練
Effects of task-oriented training on upper extremity function and performance of daily activities in chronic stroke patients with impaired cognition?PMC JuHyung Park .et al.(2016)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・課題指向型の上肢機能訓練、指導を行う事があり、その理解を深めていこうと思い本論文に至る。
内 容
背景
・課題指向型訓練は、神経学的損傷を有する患者に使用されるリハビリテーションの介入手段です。患者中心で目標を立て、課題指向であり、セラピストに焦点は当てていない。
・この脳卒中者に機能的課題の中で問題解決を試みる機会を与える訓練は、正常運動パターンの反復練習よりも上肢機能および日常活動の改善をより効果的であると仮定されている。
・しかし、課題指向型訓練は、多くの研究で、認知機能の障害を有する患者にはその適用は不十分であると批判されている。
目的
・認知機能の障害を有する慢性脳卒中者の上肢機能に対する課題志向型訓練の効果を明らかにすることを目的とした。
方法
・本研究では、慢性期の片麻痺患者2例に課題指向型訓練を受けさせた。
・訓練は1日1回30分間、5回/週、2週間行った。
・患者は、課題指向型訓練の前後で3回評価を行った。脳卒中上肢機能検査 Manual function test(MFT)・FIMを用いて評価した。 [結果]
結果
・患者は、課題指向型訓練後、上肢機能と日常活動動作能力の双方の改善を示した。
・課題指向型訓練は、認知機能の障害を有する慢性脳卒中者の上肢機能および日常生活活動を改善する上で有効であることが示唆される。
私見・明日への臨床アイデア
・臨床(外来)で行う上で、身近かつ意味のある課題は通常の運動よりも患者自身も反応を感じやすく、自宅でのセルフエクササイズや実生活で手を使うという事に繋げやすい感触がある。認知障害の課題指向型訓練は認知の程度や症状、何を課題とするかによると思われる。今回は、MMSE19点かつ2名と小規模かつ認知障害の程度も重度ではないと思われ、より大規模の研究も参照していきたい。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)