vol.294:運転技術とチューイングガム 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
運転技術に対するチューイングガムの効果-STISIM運転シミュレーターによる評価–
Effects of chewing gum on driving performance as evaluated by the STISIM driving simulator.
?PubMed Yoo I J Phys Ther Sci. 2015 Jun;27(6):1823-5. doi: 10.1589/jpts.27.1823. Epub 2015 Jun 30.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・ガムによって運転技術が変わるかを調べた論文を見つけ、興味深かったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・運転には高い注意力と反射神経が必要だが、加齢とともにこれらの機能は低下していく。
・チューイングガムが認知機能を高めると報告がある。具体的には、即時・長期・作業記憶の改善や注意機能の向上が立証されている。
・本研究は運転シミュレーター時の運転課題がチューイングガムにより影響を受けるか検証する。
方法
・26名の被験者(18~40歳)
・チューイングガム群は運転シミュレーターの際にガムを1Hzで噛み、対照群はガムなしとした。
・片側2車線の高速道路を30分間運転する設定。時速80km/hを維持して右車線(左車線より遅い車用)外側を走行するように指示。
・アウトカムは①制限時速を超えて走行してしまった距離、②走行位置、③中央線を越えて走行してしまった距離、④走行レーンから逸脱して走行した距離
結果
表:実験結果 Yoo I (2015)より引用
・制限時速を超過してしまった距離、道路から外れてしまった距離において、ガムなし群が有意に長くなった。その他二つの指標に有意差はなかった。
私見・明日への臨床アイデア
・ガムにより運転技術向上の可能性が示唆された。高齢な方、麻痺のある方にも有効なのか追加の研究を見てみたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)