vol.229:脳卒中者上肢に対する両側性トレーニング 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
上肢
タイトル
脳卒中者の運動機能、活動度、活動強度に対する、加速度計を用いた両側性トレーニングの効果
Effects of bilateral training on motor function, amount of activity and activity intensity measured with an accelerometer of patients with stroke. ?PubMed Shim S J Phys Ther Sci. 2015 Mar;27(3):751-4. doi: 10.1589/jpts.27.751.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・bilateral training(両側性トレーニング)というアプローチを初めて聞き、興味を持ったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・両上肢の協調性は上肢の運動機能や日常生活において重要な役割を果たす。
・麻痺側上肢のアプローチとしてCI療法があるが、適応範囲が狭いことが問題点となる。
・bilateral training (BI) はCI療法に似ているが、CI療法より適応範囲が広く、麻痺側・非麻痺側の両上肢を用いることが特徴である。
・まだ研究は十分に行われていないため、本研究ではBIの効果を検証する。
方法
・20名の脳卒中者を2群(BI群:両側使用、UT群:麻痺側のみ使用)に分けた。
・アウトカムはFugl-Mayer Assessment of Motor Function-upper extremity (FMA-U)、functional independence measure (FIM)、manual function test (MFT)で、介入前後に計測した。加速度計にて日常生活における上肢の使用頻度を計測した。
・介入は「引き出しの開け閉め」「テーブル拭き」「物の移動」などの課題であり、BI群は両側対称的に、UI群は麻痺側のみ使用して行った。
・介入期間は1回30分、週5回、6週間だった。
結果
表:実験結果 Shim S (2015)より引用
・UT群と比較し、BT群のFIMとFIMの運動スコア、麻痺側のMFTは介入前後で有意に改善した。
・BT群はUT群より有意に麻痺側の運動量が向上した。
・BT群はUT群に比し、有意に座位での活動量が減少し、麻痺側の中等度の運動が増加した。
私見・明日への臨床アイデア
・BI療法は麻痺側、非麻痺側上肢を対称的に使用することで機能改善を図るアプローチだった。CI療法の適応の狭さを補うことをメリットとしており、今後注目されるかもしれない。今後の研究に期待される。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)