vol.298:上肢におけるInterlimb transferについて 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
上肢
タイトル
利き手、非利き手機能におけるInterlimb transferについて
Specialization in interlimb transfer between dominant and non-dominant hand skills?PubMed Ingyu Yoo J Phys Ther Sci. 2015 Jun; 27(6): 1731–1733.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・Interlimb transferについて知りたいと思ったため。
内 容
背景・目的
・Interlimb transferは脳卒中リハビリテーションにおける興味深い現象で、一側上肢の練習を継続すると、練習していない対側の上肢にも効果が及ぶことをいう。
・この現象は脳梁がなにかしらの役割を担っていると言われているが、その神経学的な機序はまだわかっていない。
・本研究は利き手、非利き手におけるInterlimb transferについて検証する。
方法
・12名の健常成人
・利き手練習群と非利き手練習群に分けた。
・Jebsen-Taylor Hand Function Test (JHFT)をアウトカムとして、①軽いものを持ち上げる②食事をする③重いものを持ちあげる動作を評価した。
・対象の上肢に対して上の3つの運動を練習してもらう(1回30分を週5回)。JHFTを練習した上肢とは反対側で介入前後に計測した。
結果
表:実験結果 Ingyu Yoo (2015)より引用
・利き手練習群では食事動作、重いものを持ち上げるで介入前後の有意差が得られた。
・非利き手練習群はカードをめくる、食事動作、チェッカーをする(チェス様のボードゲーム)、重いものを持つで介入前後の有意差が得られた。
私見・明日への臨床アイデア
・非利き手で練習した方が反対側への影響が大きく、逆に利き手練習ではInterlimb transferが目立たなかった。脳卒中者のリハビリテーションの場合、利き手が麻痺側の場合、非利き手での練習でInterlimb transfer が得られるかもしれない。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)